「宇宙を支配する6つの数」(マーティン・リース)
自分の本棚を一冊ずつ紹介するペースよりも、
新しい本を読むペースの方が早くて、
途方に暮れているわけです。実は。

そんな愚痴はさておき、例えば重力加速度gや、
光速度cの値が少しでも違っていたら、
宇宙はどうなっていただろうか。

間違いなく、我々人類は生まれていなかっただろう。

しかしそれでも、そんな環境下で生物が誕生する可能性は否定できない
(どの値がどれぐらい違っていたかにもよるが)。

そうしたらその生物は、また同じことを思うのだろう、
「この値が少しでも違っていたら、我々は誕生していなかっただろう」と。

宇宙における物理定数が、なぜ人間に適切な値をとっているのか、
を考えることは愚かなことだ。

なぜならば、そのような値をとっているから我々人間が存在するのであって、
そこを逆にとらえてしまうと、
人間中心主義的に陥る恐れがあるからで、

ただ忘れてはならないことは、
もし仮に別の宇宙が、我々の宇宙と同じ物理定数だったとしても、
我々人間のような生物が誕生し得る可能性は、極めて低い。

人間が誕生するには、この宇宙のような物理定数は必須だけれども、
この物理定数さえあれば、
人間のような生物が必ずしも誕生するわけではない。

そこには、物理定数とは別の、
進化論という大いなる壁が立ちはだかることとなる。

さてこの書物で取り上げられている「6つの数」とは、何か。

僕の正直な感想としては、
「そんな6つじゃなくて、もっと重要なものがあるでしょうに・・・」というもの。

「宇宙を支配する6つの数」という定義は微妙で、
ある人にとっては、

①生涯で付き合った異性の数
②センター試験の点数
③ドラクエのレベル数
④クレジットカードの限度額
⑤マイカーのリッター当りの走行距離
⑥ビックカメラのポイント数

という6つの数こそが最重要だ、という人もいるわけで。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です