峰の白梅

 

久々の酒記事更新。

この酒を飲んだのは、数か月も前なのだけれど、書こう書こうと思いながら忘れていた。
実家で父親と、一升瓶をグイグイと。飲んだんだった。

雪中梅と越乃寒梅と合わせて、「越の三梅」と呼ばれているが、
この「峰乃白梅」はあまり出回っておらず、

この高級酒を、残量を気にすることなく(酔いは気にしたが)飲めたというのは、
今さらながら、幸運この上ない。

味は、一流の酒の証しである「二段階方式」。

つまり、口に含んだときと、喉を通過するときとで、
味が全く違うというやつだ。

ここまで旨い酒になると、食事と一緒に呑むことすら勿体なくなってきて、
究極は塩を舐めながら、、なんていうのも納得できる。

矛盾するようだが、食事の味で酒の味を邪魔されたくないというか。

ところで「峰乃白梅」という文字を目にすると、
いつも讃岐院、つまり崇徳上皇を思い出す。

保元の乱後に讃岐に流され、失意のままに狂死したといわれる悲劇の帝だが、
その御陵の名が、「白峯陵」。

上田秋成の「雨月物語」にも「白峯」として収録されている。

崇徳院は、そのドラマチックな人生と、
百人一首でもおなじみの、「瀬を早み・・・」の名歌、
そして自分の名前と一文字被っていることで、

自分的には、歴史上の天皇の中では、
気になる存在ナンバーワンだったりする。

そんなこんなで、ぜひもう一度、ゆっくりと味わってみたい酒なのである。

「われても末に逢はむとぞ思う」。