トランセンデンス

専門家に酷評され、米国では大コケだったらしいけど、
自分的には、それほどヒドイとは思わなかった。

映画っていうのは、どこを重視するのかは人によって違うわけで、
僕にとって、SF映画で重視したいのは「説得力」。

「Scientific Fiction」のScienceの部分が、どれほど違和感なく練られているか、
そこがひとつのポイントでもある。

前に、あり得るエイリアン侵略について書いたのだけれど、
「トランセンデンス」のストーリーはそれにちょっと似ている。

この映画では、侵略するのはエイリアンではなく、天才科学者の脳を取り込んだAI。
ナノマシンを大気中にバラ撒き、それを雨で降らせることによって、
自らの増殖を試みるあたりは、思わずニヤリとさせられた。

その他、テロリストが銃弾にポロニウムを入れて、
銃撃自体は軽傷で済んでも、そのあと放射汚染でじわじわと命を絶つ、というあたりも、
実際そのようなものがあるのか知らないが、なるほどと思わせてくれた。

ただ、前半の主人公の脳をコンピュータにアップロードするあたりまではよかったのだけれど、
後半、そのAIが暴走するあたりは、ちょっと強引というか、やり過ぎ感があったのは否めない。

もっと、インターネットに侵入して様々なトラブルを起こすなど、
リアリティのある内容に徹した方がよかったのでは、、とも思うが、それでは映画として面白くなくなるか。。

というわけで、ストーリー的には悪くないと思うのだけれど、
一番残念だったのは、役者の演技があまりにも魅力なさすぎ。

ジョニー・デップは、もう特殊メイク以外の役はムリだし、
モーガン・フリーマンも、とっくにピークは過ぎて、なんか見ていて痛々しい。

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