「地球外生命を求めて ~宇宙は生命にあふれているのか?~」(マーク・カウフマン)

Xファイル的なひやかし本かと思いきや、
ところがどっこい(死語)、真面目なサイエンスの本である。

ある種の細菌は、
とても生物が生存できないと思われていた環境でも、
平気で暮らしていることが次々に明らかになっており、

広大な宇宙において、
地球以外に生命はいない、と思う方が、
もはや難しくなってきている。

僕もそう思う。

少なくとも我々の太陽系は、
かなり恵まれた環境ということもあり、
火星やエンケラドスで生命が発見されたとしても、
ちっとも驚かない。

それどころか、
ボイジャー1号の船体にびっしりと“宇宙産”の細菌がこびりついていたとしても、
まぁそんなもんかな、と思う。

しかし、知的生命体となると話は別である。

地球の歴史を、何千回、何万回も繰り返してみても、
見たことのないような生物が登場する可能性はあるが、
ヒトのような知的生命体まで進化する確率は、
ほぼゼロだろうと思う。

宇宙線や隕石などの地球外からの脅威、
火山噴火や生物間の競争などの地球内でのリスク。

初期の生命体がヒトまで進化した道のりは、
限りなくクリアが困難なサバイバルゲームだったと言える。

ちなみに、この本の著者は、
知的生命体への進化は、それほどのレアケースではない、
という結論に立っている。

それはそれでよいと思う。
誰も答えを知らないのだから。

ミクロからマクロな空間まで。
生命の謎に対して科学的アプローチを試みた良書だと思う。

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