「世にも奇妙な人体実験の歴史」(トレヴァー・ノートン)

「世にも奇妙な人体実験の歴史」(トレヴァー・ノートン)

世にも奇妙な人体実験の歴史

タイトルと表紙のデザインがおどろおどろしいので、そっち系の本かと思いきや、ちゃんとした科学史の本。
(だって原題は「A Cerebration Of Self-Experimenters」。)

最近のヒッグス粒子の件もそうだが、理論だけで実験の裏付けがなければ、それは「仮説」にすぎない。

今では実験用にモルモットを使うことは多いが、どうしてもヒトで試さなくてはならないこともある。
実験―実証の流れが確立されていなかった昔であれば、なおさらだ。

この本は、科学史の裏で、壮絶な「自己実験」(「人体実験」というから、いかがわしくなる。ここで登場する科学者はすべて自分を被験体としている)を行った偉人たちの物語である。

前人未踏の深海に潜ったり、超音速で飛行したり、といったあたりは、まだ想像がつく。

しかしながら、淋病患者の膿を自らの陰茎に塗布したり、伝染病患者の嘔吐物を飲んでみたり、自分の心臓にカテーテルを通してみたり、、などというのは、考えてみただけでも、ぞっとする。

けれどこうしたある意味狂気的な実験があったからこそ、現代の科学がある、ともいえるのだ。

この本には紹介されていないが、個人的には、コンタクトレンズを最初に発明した人が、気になる。
Wikipediaあたりを見ると、一応その歴史は書かれているが、その裏にはやはり壮絶な実験があったことは、想像に難くない。

碌に消毒もできていない、堅いガラスのレンズを自分の目に入れて、瞬きでもしようものなら……痛くなってきたので、やめにしておこう。

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