「パラドクスの教室」(富永 裕久)
表紙と挿し絵から、
「超カンタン・パラドクスの説明本」かと思ったら、
全然違い、
僕も頭を抱えたくなるような箇所がいくつもあった。

数学・論理・物理などの広いジャンルにおけるパラドクスを紹介しているが、
「こんなパラドクスもあったのか」と思えるものもいくつかあり、
読み物として十分楽しめる内容だった。

でもやはり、数学や物理に関する限り、
「無限あるところにパラドクスあり」という感は否めない。

物理はともかくも、数学は無限を許容せざるを得ないから、
あちこちにパラドクスや矛盾が顔を出すことになる。

そもそも「直径1の円の円周の長さ」という、
幾何学的にも、論理的にもスマートに表現される「値」が、
なぜ無限になるのか。
(いや、実際は、無限なのかどうかも分からない)

でも世の中は、説明できることだけではないから、
楽しいわけだし、進歩もするのだろう。

仕事や生活において、
どうしても「合理的」な事柄ばかりを追い求めがちだが、
たまにはひと休みしてパラドクスの世界に脳を浸してみるのも、
悪くはない。

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