映画「インセプション」

映画「インセプション」
インセプション

住の江の 岸による波 よるさへや 夢の通い路 人目よくらむ

百人一首にも入っている藤原敏行朝臣の和歌。
現代人の発想では、ある人が夢に出てきたら、それは自分がその人のことを強く想っているせいだ、と考えるけれども、
古代人はその逆で、自分がある人のことを強く想うと、その人の夢の中に入っていってしまう、と考えていた。

それが「夢の通い路」である。

澁澤龍彦の小説だったか泉鏡花だったかの作品で、
相手の夢の中に入って悪行をする、といった話があった気もするけれども、今は思い出せない。

「インセプション」を見たときに、ああこれだな、と思った。

原作者が上記のようなことを知っていたかどうかはどうでもいいけれど、実に巧妙に出来た映画だ。

さらに、相手の夢に入るだけでなく、「夢中夢」というトリックを何重にも仕掛けることで、
かなり濃密なストーリーに仕上がっているし、

「今が夢なのか現実なのか」を判断するために、原始的な小道具を持ち出すあたりも、いかにもシャレている。

「シャッターアイランド」で存在感をアピールしたレオナルド・ディカプリオ。
この映画でもなかなかの演技を見せていると思う。
※例によって、女性を幸せにできない男を演じるのが似合ってますね、この人。

渡辺謙の英語が相変わらずだったのはご愛嬌として、ここ最近見た映画の中では、かなりのオススメ作。

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