NINE

懲りずに映画です。

あ、予告しておきますが、次回はまた酒です。
あしからず。

恥ずかしながら、「8 1/2」は観ていないのだけれども、
フェデリコ・フェリーニが元ネタであるということで、
何となくこの作品に対するイメージはできていた。

だから、メディアによるこの映画の取り上げ方は、
「ちょっと違うんじゃないかな・・・」と思っていたし、

「意外とつまらなかった」という周りの感想を聞くたびに、
納得してしまう。


ハリウッド=ブロードウェイ的なノリを期待してこの映画を観ると、
失敗します。

フェデリコ・フェリーニとまではいかないまでも、
ヨーロッパ映画、そうあのまったりと時間が流れるヨーロッパ映画だと思って観なければ、
「つまらない」と思えてしまうのも、やむを得ないのかも。

ストーリー的には、映画を作れなくなったダメな男の、
ダメな仕事っぷりとダメな女関係を描く、ただそれだけです。

これに音楽がなかったら、さぞかし退屈な映画なんでしょうが、

そこはやはりハリウッドです。
歌います、踊ります。

ただ何度も繰り返すように、根本的には退屈なストーリーなので、
その退屈さと音楽の心地よさとが、絶妙なバランスを醸し出している、、、、
これは大人のエンターテイメントとでも言いましょうか、


一度ヨーロッパ映画の退屈さの洗礼を通り過ぎた人で、
かつハリウッドの軽妙さも認められる人
じゃないと、
なかなか評価はできないのかもしれない。

ともあれ、主役は、ダニエル・D=ルイス。
大学時代にビデオで観てエラく感心した名作、
「存在の~」から、すでに20年。

完全にシブい俳優に完成されてますね。

女優陣では、ニコール・キッドマンやぺネロぺ・クルスを差し置いて、
個人的に一番魅力的だと思ったのは、ケイト・ハドソン

最新の007シリーズのM役が印象的なジュディ・デンチの怪演(?)も、
なかなか面白い。

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この映画の主人公のように、何らかの創造的な仕事をする人間が、
何も生み出せなくなったときの”やるせなさ”は、まさに悲劇であって、
そうなると男は、酒に走るか女に溺れるか
のどちらかになってしまうのであって、

要するにこの映画の主題は、
ここにあるのではないでしょうか。

あ、私自身は、たぶんそんなことはありませんので、念のため。

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