映画「ダウト・ゲーム」

映像作品を鑑賞するのも、そして当然ここに書くのも、
実に久しぶりである。

たまに仕事から早めに帰れたときには、
駅前のツタヤに寄ってDVDを物色したこともあったのだが、

それほど観たいものがなかったということの他に、
借りて帰って家のPCでDVDを観ても、
途中でスマホをいじったり本を読んだり、

何かと雑念が湧いて集中できないだろうということで、
結局借りずに帰宅していた。

やはり映画は、映画館というあの空間で、
「他には何もできない」ことを強制された状態で観るからいいのだろう。

だからといって、ひとりで映画館を独占しては意味がなく、
周りに人がいなくてはならない。

そう考えると、完全に一人ではいけないし、
かといって周りから干渉されてもいけないという、
何とも絶妙な力学の上に成り立っているのが、
映画鑑賞なのだろうか。

よく分からないけれど、
とにかくこの日は外食して酒が入っていたので、
あれこれ悩まずに、スパッとDVDを借りたわけだ。

サスペンス好きとしては、結構魅かれるような謳い文句だったし、
サミュエル・L・ジャクソンなら、
大きくハズれることもないだろうと。

内容をざっと説明すると、
お互いの犯罪を知ってしまった二人の男が、
黙っていればお互いバレずに済んだのに、

一方の男が、検事としての正義感(?)から、
黙ってはいられなくなってしまったために、
そこから騙し合いというか、復讐合戦みたいになる。

まぁ大まかなストーリーとしては、ナシでもないのだけれど、
細かい部分で、そんなことあるわけないだろ!
というツッコミ所が結構あって、

God is in the details.(神は細部に宿る)

とは、映画においても然りだと、あらためて実感。

細部がいい加減だと、やはりA級映画にはほど遠くなる。

検事の男も、自分の犯罪を棚にあげておいて、
他人の犯罪を、許せねー、とか言ってる場合じゃないだろうと。

1.5倍ぐらいの時間と予算をかけて、
もっと緻密に描けていたら、
かなりいい作品になる可能性はあるかもしれない。

適正価格(劇場換算):1,000円