映画「複製された男」

性格は対照的だけど、
声も見た目も全く同じ人間がいることを知ってしまった。

さぁ、大変!

っていう映画。

パッケージには、「究極の心理ミステリー」とあるのだけれど、
謎解き要素は一切なく、
結局、なぜ「そっくりさん」がいるのかというのも、
解明されないまま。

ということで、ハリウッド映画のように、
最後に、きちんとオチをつけて終わらせる、
というのを期待していると肩すかしを喰らうわけですが、

モヤモヤしていて、なんとなく気怠い、、という、
ひと昔前のヨーロッパ映画のようなノリが好きな人なら、アリかも。
(ちなみに、これはカナダ映画)

映像は、全編土色がかっていて、
音楽と一緒にジメっとした雰囲気を醸し出してるし、

要所要所に登場する蜘蛛のイメージが、不気味で、
ラストシーンは、結構、ビビる。

僕的な解釈では、もう一人の自分、というのは、
自分の願望とかコンプレックスのようなものが見せる、
一種の幻覚なのではないかと。

さらに、強烈なトラウマや不安要素が、
蜘蛛の姿となって、ときどき脳内に現れる。

そういう心理葛藤の映画なのだと思えば、
何となく納得できる。

もう一人の自分が、自分の彼女に欲情して、
自分のフリをして寝取る、という展開は、
あまりにベタベタで、どうかと思ったのだけれど、

そういう人間の本能剥き出しというか、
食欲旺盛みたいな部分も、
また蜘蛛のイメージにつながるのかな、と思ったり。

主人公の彼女役を演じたのは、
この前観た「グランドイリュージョン」にも出てた、メラニー・ロラン。

相変わらずの美人さんでした。
これからますますブレイクするでしょう。

そんな時があるかどうか知りませんが、
モヤモヤしたいときには、オススメの映画。

適正価格:1,500円

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