40手前ぐらいから、急に寒がりになって、
こないだの週末も、土日ともに長風呂を血行、いや決行。

1回で1時間以上は入るので、読書はもちろん、
普段ゆっくり聴けないような、長~い曲も入浴中は楽しめる。

最近では、バッハの無伴奏チェロソナタの全曲通しや、
ショパンのエチュード、リストの巡礼の年、chemical brothersにピアソラと、
相変わらず節操のない聴き方をしていたわけだけど、
今回は、ふとハイドンの「天地創造」。

二時間近い大曲だからこれを機に、というのもあったのだけれど、
妙なインスピレーションが働いてこれを選曲。

ハイドンというと、ピアノをやっている人ならソナチネやソナタは必ず習うし、
弦楽四重奏やチェロ協奏曲もイイ曲だし、
そして何と言っても、シンフォニーの父だし・・・

ということで、音楽史の燦然と輝く偉人なわけだけど、
例えばモーツァルトやバッハやベートーヴェンのような受け入れ方はされていない(少なくとも日本では)。

悪く言えば個性に乏しいというか、コレ!という名曲がないというか、
全曲が及第点以上なんだけど、満点もないというか・・・
要するに、進んで二度聴こうとは思わない、そんな作曲家なのである。

随分と音楽に浸かってきた自分でもこういう印象なのだから、
おそらくそうではない人たちにとっては、もっと印象の薄い作曲家なのだろう。

ところが!である。

1時間以上も湯船に沈み、ただでさえ真っ赤に腫れ上がった顔が、
興奮でユデダコMAXになり、

しかも全身総毛・鳥肌立ち、
風呂の中で鳥肌が立つものか、なんてツッコミはこの際どうでもよく、

驚きのあまり湯を呑み込み、しばらくむせ返る始末。

なんとまぁ、素晴らしい曲ではないですか!「天地創造」。

高揚感と抒情性が絶妙な綾をなし、
二重唱も美しいし、フーガだかカノンだかも感動的だし、
歌詞など分からなくても無問題。

これは間違いなく、ハイドンの書いた奇跡の一曲だし、
なぜ今までスルーしてきたのか、人生損をした気分。

珍しく、もう一度聴きたくなるハイドン・・・のはずだけど、
とは言え長いので年に一回ぐらいにしておこう。

紹介するのは、ムーティ指揮のウィーン・フィル。

やはりこの人は、こういう曲は得意なんでしょう。
そしてまた曲も、オケが鳴るように出来ている。