文明の発達を、エネルギーの利用という観点から眺めると、
次のようになるのではないだろうか。
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第一段階:狩猟・採集の時代
ヒトは他の動物たちと同様、食物連鎖の真っただ中にいて、
自然のエネルギーをそのまま享受・消費していた。

第二段階:農耕・牧畜の時代
効率よく生き延びるために、
自然エネルギーを単に消費するだけの形態から、
育てて貯蓄する、という形態へ進化を遂げた。
これがいまから約1万年前。
このエネルギーの生産と貯蓄が、文明の誕生の引き金となった。

第三段階:産業革命
地球が長い時間かけて作り上げてきた、
石炭や石油などの化石燃料を、大量に消費することで、
ヒトは工業化という文明の新たなステージに突入した。
これはエネルギーの一方的な消費の時代の始まりでもあり、
現代まで続いている。

第四段階:核エネルギーの利用
核融合の原理とは、恒星を運用するメカニズムであって、
地球に住む我々にとっては、本来無縁のはずのものだった。
アメリカや先進国が、盛んに宇宙の研究を行っていたのは、
実はこの核エネルギーの原理を手に入れるためだったとも言われている。
効率のよいエネルギーであることは間違いないが、
このような宇宙由来のエネルギーを、
果たして惑星人の我々が正しく運用できるのかどうかが、
いままさに問題になっているところでもある。
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さて、現在盛んに系外惑星の探索が続けられているが、
その究極の目的は、別にエイリアンを探すことではなく、
地球外への移民を実現させることだと思っている。

帝国主義が、国内の強力な統治を前提としていたのと同様、
地球人が宇宙へ飛び出すためには、
まずは地球内での完全な協調が必須であって、

昨今のように、民族的、歴史的、宗教的などの理由によって、
惑星内での紛争が絶えない状況では、
宇宙進出など夢のまた夢である。

それから問題になるのが、エネルギー問題である。
上に見たように、文明のステージが変わるときには、
必ずエネルギーの運用方法の変更を伴っている。

宇宙進出の時代になるのであれば、
核エネルギーの確実の運用か、
あるいはまったく新しいエネルギーの獲得が不可避であろう。

このような状況をクリアして初めて、
我々は宇宙へ出られるのであって、
仮にエイリアンが存在するとしたら、
彼らはこれらの問題をすべてクリアしているはずだ。
(これを僕は個人的には、「宇宙レベルの知性」と呼んでいて、
だからそのようなレベルの知性をもった生命体が、
好戦的であるはずはあり得ない。)

ただ単に宇宙船を作るだけの技術であれば難しくはないことだが、
今の世界の動きをみていると、
地球人が「宇宙レベルの知性」を手に入れるのは、
余程先のことか、あるいは無理なのではないかと思っている。

もし無理だった場合、どうなるのか。

あまり考えたくはないが、出口のないこの狭い星の生態系から、
ヒト属というピースが失われることになるだろう。