アート

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「日本美術全史」(田中英道)

西洋・東洋の区別をなくして、世界の美術を俯瞰することは大切だとは思うが、 平安前期の文化を「マニエリスム」、平安後期の文化を「バロック」と呼ぶこの本の姿勢には、同意できない。 そもそも西洋の文化のみを語る場合でさえも、例えば「バロック」という語の使用は十分に注意すべきである。 建築・絵画・彫刻・音楽それぞれの分野において、「バロック」というもつ語の意義や重さは、異なる。 ましてそれを日本の文化、し […]

「耽美 うき世絵ばなし」(神保 朋世)

古本屋で見つけた40年以上前の本なので、画像が、ない。 わざわざ写真をとってアップするのも面倒なのでそうしないが、妖艶というか頽廃というか、形容しがたいセンスによる、現代ではまったく見られない類の表紙のデザイン、とだけ書いておこう。 春画を題材に、江戸の浮世絵師たちの生き方、当時の生活風俗を描く、現代浮世絵師の著作である。 時に解説風、時に小説風。 筆は主観と客観の間を自由闊達に動きまわり、気づけ […]

「The Inventor of the Modern Album Cover」(Alex Steinweiss)

Alex Steinweissによる、主にコロンビア・レコードのジャケットデザイン集。 持ち運びに苦労するほどの大型本だが、ジャケットデザインを実物大で楽しめるというのは、やはりいい。 ページをめくっていると、デザイン集というよりも絵本を眺めている感じで、 ひとつひとつに込められたメッセージというかストーリーが浮かび上がってくる。 たまにはこういう本を眺めて、ほっと一息ついてみるのも、悪くない。

「文字大全 雑誌・書籍・広告・パッケージ」

「大全」とか言われると、「康熙大全」とか「五経大全」とかを思い浮かべてしまう僕は、やはり感性が古いのだろうか。 でも、100ページほどの冊子で「大全」は流石に大袈裟だろう。 レイアウトやロゴ制作の過程を、具体例を用いて紹介する、というのが主眼で、 特にタイポやフォントについて厚く触れられているわけでもない。 流し読みの刑。

「レイモン・サヴィニャック」(レイモン・サヴィニャック)

無機質なポスターが溢れる現代から見ると、サヴィニャックの作品は懐かしさとあたたかさを感じさせてくれる。 特にイラストが上手いわけでも、色遣いが独特なわけでもなく、「あ、なるほどね」というアイデアを、嫌みのない筆使いで表現する。 そんなところが、僕の中では谷内六朗とダブる。

「ブルーノート アルバム・カヴァー・アート」(グラハム・マーシュ他)

ブルーノートのレコードのジャケットデザイン集。 実物大の製本なのが、心憎い。 ほぼ1枚ものの写真を、レイアウトとタイポにこだわって最上級のデザインに仕上げるリード・マイルスの腕をまざまざと見せつけられると、 「画像素材は1枚しかないんですかね…」とか「もっと高解像度の写真はないですか?」とか、言えなくなる。 ここに収められたジャケ写は、デザインの良し悪しを決めるのは要素の数ではない、ということの証 […]

「ロゴデザイン・ラブ!」(David Airey)

ロゴデザインの指南書かと思いきや、デザインをするに際しての心構えの本。 スケジュールの立て方とか、金額はどう決めるの?とか、プレゼンでの注意事項などなど、 中には「クライアントの連絡担当を味方につけよう」みたいな、思わず「ある、ある」と頷きたくなるような内容もある。 グラフィックデザインって、何をする仕事なの?という疑問を持っている人には最適の本。

「よくわかる仏像のすべて」(清水 眞澄)

僕みたいな「仏像初心者」にはちょうどよい本。 写真やイラストが多いのも有難いし、ボリュームも手ごろ。 仏像にもイケメンとそうでないのとがあるのは、やはり作り手の技量によるのだろうか。 個人的には、マジンガーZや鉄人28号、ガンダムなどの「日本産アニメロボット」の顔の原型は仏像にあると思っている。特に、眼。

「にほんのかたちをよむ事典」(形の文化会)

「よむ事典」と題された本は、昔からある。「飲むヨーグルト」みたいなものだと、なんとなく考えていた。 それはともかく、「かたち」という日本語は、しかもひらがなで書けば一層、便利なことばで、 フォルム・カラー・シェイプ・レイアウト・テクスチャ・モード…等々、デザインやアートに属する概念をすべて包含してしまう。 たとえば「茶道のかたち」といえば、それは茶碗を回してお茶を口に運ぶという動作も、四畳半の茶室 […]

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