音楽

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「ドイツ音楽歳時記―民謡とバッハのカンタータで綴る」(樋口 隆一)

  謝肉祭や復活祭、クリスマスといった、 キリスト教的な記念日・行事が、 ドイツではどのようにとらえられ、 そしてそれがいかなる形で民謡に表現されているか、 さらにはそのエッセンスが、 バッハのカンタータやコラールにどのように取り込まれているのか、を綴った本。 紹介されているほぼすべてが、バッハ、 しかもごく限られたジャンルの声楽作品なので、 タイトルの「ドイツ音楽歳時記」というのはさす […]

「ドビュッシーはワインを美味にするか? 音楽の心理学」(ジョン・パウエル)

  『響きの科学』で、 すっかりその面白さに魅了されてしまった、 ジョン・パウエルの最新作。 今回も前作同様、 音楽を科学することの楽しさと、 著者の軽妙な語り口とで、 一気に読めてしまうオススメの出来映えとなっている。 音楽をやっている人は分かると思うけれども、 時折言葉で説明しずらい、 非常に微妙で繊細な演奏上の問題に直面することがよくある。 それを「感性」とか「表現力」といった曖昧 […]

「楽器産業」(檜山 陸郎)

  音楽に関する本というのは、 とかく感傷的・主観的になりがちなのだけれど、 この本のように、数字をベースにクールに語られる音楽も悪くない。 当たり前のことだが、 楽器なしでは音楽は成り立たず、 では楽器はどうやって生まれるのかといえば、 木の葉や竹で笛を作る時代はとうにすぎ、 今や立派な「産業」として、音楽を支えているのである。 であれば、ましてや僕のような音楽をする人間であれば、 そ […]

「ピアニストの脳を科学する 超絶技巧のメカニズム」(古屋 晋一)

  一見、科学的でないと思われるものを、 科学的に考察する、というのは割とお気に入りのテーマ。 ましてやピアノがネタとなれば、すぐにでも読みたかったのだけれど、 古本屋で見かけたときに高くて手が出せなかったので、 カードの引き落としを待ってようやく買ってみた。 ※注:「高い」といっても、あくまでも古本の中では、、 という意味で、それでも、まぁラーメン2杯分ぐらい。 ピアニストの脳や筋肉は […]

「日本音楽の歴史」(吉川 英史)

記紀に書かれた音楽の起源と思われるものから、 第二次世界大戦後の音楽界までの、 我が国における音楽の歴史について語った好著。 単に教科書的に事実を並べるだけではなく、 あるときは奏でる側の、あるときは聴く側の立場となり、 先人の意見についても、同意するだけではなくときには批判を交えながら、 実に巧みな語り口で書かれた、「音楽の進化論」である。 古代や中世の音楽は、録音はもちろん譜面も残ってはいない […]

「マーラーを識る」(前島 良雄)

  良く言えば毒にも薬にもならない、 率直にいうと、読むだけ時間の無駄だった。 書籍の帯には、いかにもマーラーの人物や音楽の本質に迫っているかのように書かれているが、 実際のところは非常に薄っぺらい内容である。 この本で述べられている要点は下記のとおり。 ・マーラーの交響曲には、 (おそらく)商業的な理由から作曲者の知らないところで、 タイトル(副題)が付けられているものが多くあり、 そ […]

「音楽の聴き方」(岡田 暁生)

  音楽体験というものを、「聴く音楽」「する音楽」「語る音楽」の3つに分け、 それぞれがどのように絡み合っているのか、 それぞれには何が必要か、など、 身体レベルに近い視点での音楽論である。 音楽に関する著作には割とうるさい僕だが、 この本に書かれていることには概ね同意で、 特に「語る音楽」、すなわち、 音楽を言葉にすることの難しさ・大切さについてのくだりは、 ああ、こういうことだったの […]

「クラシック音楽 名曲名演論」(田村 和紀夫)

  よくある音楽好きによる、思い込みの激しい偏向的な読み物とは一味違って、 この本のベースには譜面があり、スコアがある。 それが良いのか悪いのかはさておき、 あたかも文学作品であるかのように譜面を読み、そこにある音や作曲家の指示を理解した上で、 「そうであるがゆえに、ここはこう演奏するのが正しいと思うのであり、 それを実現している演奏は●●である」、 という流れで、各曲を解説している。 […]

「私の音と言葉」(野口 剛夫)

  本書はおもに、「クラシック音楽のあるべき姿」と、 「音楽市場の現状」との差について語ったエッセイを、一冊にまとめたもの。 なんというか、いまだにこういう狭い見方で 音楽を語る人がいるというのは、驚きだった。 少なくともこの本の中で、著者が語る音楽とは、 クラシック音楽に限ったものであり、 しかもほぼすべてがオーケストラ作品のみ。 それでもって、楽器を弾くだけのやつは音楽を分かっていな […]

「パリの空の下 演歌は流れる」(吉田 進)

  フランス在住の日本人作曲家による、音楽とは何か、を探るエッセイ集。 最初は、「フランスかぶれ」で鼻につくなー、と思っていたのだけれど、 第六章の「国歌とは何か」で評価はガラリと変わった。 「君が代」が悪いとか「ラ・マルセイエーズ」が良いとか、 そういう些細なことではなく、 国歌と国民とのあり方について深く思索し、 最終的には、国という存在についてまで言及していく。 一時期巷で騒がれて […]

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