音楽

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「138億年の音楽史」(浦久 俊彦)

  良い本だとは思うが、 あまり期待しすぎるとガッカリするかもしれない。 宇宙のはじまりはエネルギーのゆらぎだし、 量子論にせよひも理論にせよ、 宇宙の根本にはゆらぎ(波動)がありそうだというのは ある程度確かなのかもしれないが、 百歩譲って、そこに「音」があったとしても、 それと「音楽」とを結び付けるのは短絡的だと思う。 現象としての「音」と、人工物としての「音楽」の違いは明確であり、 […]

「響きの科学」(ジョン・パウエル)

  本屋へ行くと、新刊コーナーは必ずチェックをし、 そこにある興味のある本は目を瞑って買ってしまうのだが、 なにせ新刊書なので、既に持っている本をダブって買ってしまう、 という事故は極めて少ない。 今回の場合、結論を先に言えば、 極めて少ないはずのその事故に遭ってしまったのだが、 その理由は、既に持っていた方がハードカバーで、今回のは文庫本、 しかも表紙のデザインも違えば、タイトルも若干 […]

「わたしの嫌いなクラシック」(鈴木 淳史)

  「好き・嫌い」というのは、便利な表現方法である。 「良し・悪し」で物事を判断してしまうと、 今度はその判断自体が正しいかどうかの議論になってしまうけれど、 「好き・嫌い」というのは、 完全にその人の主観なので、誰も立ち入ることはできない。 ましてやそれが芸術分野のことになれば、 千差万別、十人十色、蓼食う虫も好き好き、というやつで、 何を好きだろうが嫌いだろうが、あぁ、そうですか、と […]

「バロック音楽」(皆川 達夫)

  少なくとも日本人においては、 クラシック音楽に対して、 「似非進化論」的な捉え方、つまり、 新しきは古きを凌駕する、という考えが、 根強く残っている気がしている。 自分自身が受けた音楽教育を振り返ってみても、 クラシック音楽は、 バロック-古典派-ロマン派 の順で「進化」してきたのであり、 バロック以前の音楽ともなれば、 それはまるで、多細胞生物以前の単細胞生物であるかのように、 不 […]

「音楽の形式」(アンドレ・オデール)

  音楽事典から、クラシック音楽の形式だけを抜き出して、 詳しい解説を加えたような本。 事典風にはなっているものの、 組曲がいかにしてソナタになっていったか、など、 音楽史としての一環した姿勢を貫いているため、 読み物としても分かりやすい。 ただ、読後に振り返ってみると、 「メヌエット」や「アリオーソ」はあるのに、 「ガヴォット」や「サラバンド」がないなど、 かなり内容が端折られている気 […]

「戦争交響楽」(中川 右介)

  ナチスが政権を握る直前から、 第二次世界大戦終戦までの間における、 クラシック音楽家約100人の生き様を描いた力作である。 ひとりずつについて記す「紀伝体」ではなく、 年代順に書かれた「編年体」の形式で書かれているため、 読む側としては、実際の戦争の進展に合わせて、 音楽界がどのように動いていったかがよく分かるのであるが、 書く側としては、ものすごい労力がいったであろう。 その分、音 […]

「雪のなかのアダージョ」(粟津 則雄)

  クラシック音楽に関するエッセイ集だが、 演奏家についてが5割、 作曲家についてが4割、 それ以外が1割、 という構成で、 余程の音楽好きじゃないと、アシュケナージとバレンボイムの違いとか、 おそらく「???」だと思うから、 まぁ、マニアックな著作だといっていい。 でも、○○○のピアノは時代を反映している、とか、 ●●●の指揮は構造を把握している、とか、 演奏についての評論は、言ったも […]

世界に一つだけの花

こないだ、どこかの喫茶店だかお店だかで、 SMAP(槇原敬之)の「世界に一つだけの花」が、 ハミングモード(メロディだけの状態を勝手にそう呼んでます)で流れていて、 サビの部分の歌詞、 そうさ 僕らは♪ 世界に一つだけの花♪ 一人一人違う種を持つ~♪ ってところを何気なしに呟いたら、 そういえば、世阿弥の「花鏡」に、、と思ったので、家に帰ってあらためて調べてみた。 ——&# […]

「日本音楽史-伝統音楽の系譜」(服部 龍太郎)

浄瑠璃、長唄などの江戸時代の音楽については、 かなり詳しく語られている。 それ以外のジャンルについては、端折って書かれているのだけれども、 江戸音楽愛好家であれば、一度は目を通しておいてもよいかもしれない。 特に、うた沢の心得として、 梅暮里谷峨の「はうた一夕話」の一節を紹介している箇所が面白くて、 曰く、 「銭湯にてうたふべからず。わがままぶしになりて三味線に合ず」 うた沢に限らず、何事も自分勝 […]

「音楽と言語」(T・G・ゲオルギアーデス)

ヒトにとっての初めての音楽体験が、 「歌うこと」であっただろうことはほぼ間違いなく、 であるならば、音楽と言語とは表裏一体のはずで、 この本は、そんな音楽と言語との関係を綿密に、 主に中世以降の宗教音楽における言葉の扱われ方という点から、 検討したものである。 ともすれば抽象論に陥りがちなテーマではあるが、 譜例を豊富に挙げて、 あたかも音楽が聞こえてくるかのように論じているのが、 この本が名著と […]

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