第16回文化庁メディア芸術祭

ツールの発達した現代においては、筆と絵具で描いた絵こそが芸術で、
コンピュータによるグラフィックは芸術ではないのか、
という議論が、当然生じてくる。

そこで登場した、苦肉の策の造語が、
この「メディア芸術」というもの(なのかな・・・たぶん)。

科学やエンターテインメントの領域だけでなく、
芸術の分野でも、コンピュータの存在は、
もはや無視できないものとなっている。

かつてのように、生活の糧を得るために、
何年もかけて一枚の絵を仕上げる、
というようなコスト高な芸術活動というのは、
果たして褒められるべきことなのか。

同じクオリティのものを、
コンピュータを使って数日で作れるのであれば、
それこそまさに「神の手」によるアートと呼ぶべきではないのか。

それとも、明日のメシのために苦しみながら創作するという、
その精神こそが芸術の根幹であるべきなのだろうか。
であれば、金持ちは芸術家たり得ないのか。

などということを、
ハイテクを駆使して作られた、
うごめくグラフィックを眺めながら考えているうちに、
観覧終了。

芸術が変わるべきなのか、ヒトが変わるべきなのか、
ってことだろう。

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