「エロい昔ばなし研究」(下川 耿史)

 

「エロい昔ばなし」というタイトルは、キャッチーではあるがややズレていて、

厳密には、「日本の文芸・文学作品にみられる性愛表現」とでもいおうか。

要するに、「浦島太郎」や「桃太郎」といったいわゆる「昔話」を、
エロ視点で捉えた、というわけではない。

内容は予想通りで特に驚くほどのことはないが、
今まで古典など見向きもしなかったような学生とかが、

これを機に(?)少しでも興味を持てるようになれば、
それはそれでアリなんじゃないかと思う。

「エロいシーンだけを探して、源氏物語を原文で読みました」
というのも、立派な読書法ではある。

ひとつひとつをもっと深堀りできれば、そこそこディープな性史にはなったと思うが、
あくまでも新書版の入門書ということで、これぐらいライトで良いのだろう。

ただ、個人的には明治以降については蛇足かな。

対象が広すぎるし、そもそもエロ表現自体が珍しいものではなくなる。

まぁ、古代・中世との比較ぐらいな感覚でよいのかもしれない。