映画「アメリカン・サイコ」

正月早々、気味の悪い映画の紹介。

結構前の映画なのと、それなりの話題作であるので、
今更ここで書くのもアレなのですが、
未見の方もいらっしゃると思うので。

クリスチャン・ベイル演じる主人公は、
イケメン、金持ち、大企業の幹部、女には困らない、と、
誰もが憧れる成功人生を謳歌しているのだったが、

彼には誰も知らない裏の顔があって、
それは一言でいうならば、「変態殺人鬼」。

男女富貴に関係なく、殺すことによって快楽を貪るヤバイ奴。

競争主義・物質主義の世の中をスマートに生きる表の顔と、
快楽主義・精神主義、というか狂気の世界に住む裏の顔の、

両面を極端に描くことによって、
現代人の危険な二面性を炙り出そうとした作品なのだろう。

主人公による殺人が、
実際に行われたものなのか、それとも妄想の世界なのかが、
どちらとも解釈できるようになっているために、
映画ファンの間では、どちらなのかの論争が絶えないと聞くが、

どっちであろうとも、
要するに、そういう状態の「心」を持っていることこそが、
資本主義に毒された現代人の危うさということなのだろう。

多少、スプラッター要素もあるので、
そっち系が苦手な人は、ご用心。

ただ、クリスチャン・ベイルのキレキレの演技は、
一見の価値アリ。

適正価格(劇場換算):1,600円