歴史

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カエル in プリニウスの博物誌

先月だったか、 未だ梅雨の明けないとある夕方、 家の前の路地で、 目の前を一匹のヒキガエルが横切った。 東京とはいえ、 別にヒキガエルなど珍しくもないのだが、 コロナ禍により、 数か月も家に籠りきりだったこともあり、 普段とは違った、 愛情というか、好奇心を含んだ眼で、 その姿をしばらく眺めていた。 カエルといえば、 『日本書紀』の応神天皇十九年、 帝が吉野へ行幸した際、 地元民の歓待を受ける場面 […]

「地震の日本史―大地は何を語るのか」(寒川 旭)

以前から「理科年表」にある、 過去の地震記録を眺めるのが好きなのだが、 ただそこには、震源の緯度経度と、 マグニチュードが記載されているぐらいで、 いわゆる「データ」と化している。 この本は、過去の大地震について、 単なる「データ」としてではなく、 それらが当時の人々に、 どのような影響をもたらしたかという、 「生きた記録」として紹介したものである。 文字記録のない時代については、 遺跡に残る痕跡 […]

「日本の偽書」(藤原 明)

この本は、いわゆる「偽書」として名高い、 『上記』『竹内文献』『東日流外三郡誌』『秀真伝』『旧事本紀』 について、 それらの内容云々よりも、 いかなる事情の下、いかなるプロセスで誕生したのか、 を解き明かすことをテーマとしている。 そもそも「偽書」に対するイメージは、 おそらく人によって様々であるし、 定義すら難しいのではないかと思うが、 この本では、偽書とは、 「作者・書名を偽った、文字を用いた […]

「東京の幽霊事件 封印された裏歴史 」(小池 壮彦)

まずは、私見から。 現代は幽霊や妖怪が住みづらい時代である、 とはよく言われるが、 しかし急速に近代化を進めた結果、 「近代的なもの」と「前時代的なもの」との、 歪みというかムラが生じてしまい、 そのムラこそが、逆に、 幽霊や妖怪の住処になっているとは言えないだろうか。 おそらくあと100年ぐらい経って、 キレイさっぱりと近代化が行き届いてしまえば、 その時こそはまさに、 幽霊や妖怪たちには退場い […]

「大江戸の飯と酒と女」(安藤 優一郎)

最初に、「飯」と「酒」は分かるが「女」とは何事だ、 というご意見もあろうかと思うので、 著者に変わって弁解を。 江戸は、男性の数が女性の2倍近くという状態だったため、 如何せん、物事が男性目線にならざるを得ない。 まぁ、「大江戸の飯と酒と色恋」ぐらいにしておいた方が、 無難だったのかもしれないけれど。 タイトルについてはさておき、 内容はまさにそのもので、 江戸の食事、酒、色恋について、 興味深い […]

日本書紀成立1300年 特別展「出雲と大和」(東京国立博物館)

上野公園の、広小路側にある入り口の桜が、 なぜかもう咲いていて。 見た目は染井吉野っぽいが、 さすがに早いし、公園内の桜は咲いていない。 とまれ、春はすぐそこまで来ていることを感じさせる。 さて、この「出雲と大和」であるが、 僕なりのテーマはたったひとつで、 昨年の12月に出雲に旅行して以来の楽しみでもあった、 おそらく「正史」という名に隠蔽された、 ヤマトが出雲を屈服させた歴史を、 どのように語 […]

「風土記から見る日本列島の古代史」(瀧音 能之)

最近、出雲旅行に行ったこともあり、 『風土記』関連本を二連読。 いや、機内で『風土記』自体も読んでるから、 正確には三連読か。 うーーん、書かれていることはその通りなのだけれど、 各『風土記』にあんなことやこんなことが記されている、 という紹介に終始している感じで、 だからどういう意義があるのか、とか、 「記紀」と異なる(あるいは同じ)のは、なぜなのか、とか、 一歩踏み込んだ考察が薄く、 いわば『 […]

「風土記の世界」(三浦 佑之)

大学時代は古典文学を専攻していた僕でも、 「古事記」「日本書紀」「万葉集」と比べ、 「風土記」に触れる機会は、それほど多くない。 それもそのはずで、 当時60ほどあった国のうち、 「風土記」が残っているのは5か国、 それに加えてわずかな逸文があるにすぎない。 日本全国の「風土記」が残っていたとしたら、 民俗学的にも、国語・文学的にも、もちろん歴史学的にも、 それはそれは貴重な史料になるはずなのだが […]

「科挙―中国の試験地獄」(宮崎 市定)

ukiyobanareの名に恥じず、 相変わらず世間のニュースには疎いのであるが、 何やら英語の試験か何かで、 一悶着あったらしいことぐらいは知っている。 詳細は分からないけれど、 試験があるのであればそれに向けて頑張ればよいだけだし、 カネがかかるといっても、受験に数十万円かかるわけでもないし、 そもそも教育にはカネがかかるというのは、 古今東西の動かぬ事実。 とはいえ、 金持ちであるからといっ […]

「日本人の給与明細 古典で読み解く物価事情」(山口 博)

奈良時代から江戸時代にかけて、 庶民や貴族、武士たちが、 現代の貨幣価値に換算すると、 果たしていくら稼いでいたのか、 について、さまざまな文献や史料を元に検証した本。 収入を得るということは、 (当然ながら)何かしらの経済的活動がそこにはあったわけで、 各時代に、どのような仕事をしたり、 どのような買い物をしたりといった、 生活の詳細まで知ることができて、かなり興味深い本である。 中でも意外だっ […]

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