歴史

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「大惨事(カタストロフィ)の人類史 」(ニーアル・ファーガソン)

災害、疫病、事故、戦争、経済危機… 歴史上のカタストロフィの裏にある、 人間、特に政治的な問題を、 浮き彫りにした本。 福島の原発事故に触れている箇所を含め、 なるほど、と思わせる部分も多々あり、 その視点の鋭さは、 さすが一流の歴史学者と思わせる。 前半は、社会のネットワークという点に、 スポットを当てているのだが、 後半は政治的な問題、 特に新型コロナの話題に突入して以降は、 ん?これって何の […]

「ゆれうごくヤマト ―もうひとつの古代神話」(アンダソヴァ・マラル)

「大和朝廷」といえば、 我々は小学校以来の歴史の教科書で、 あたかも我が国の礎を築いた、 絶対的な存在として教えて込まれてきた。 けれども、歴史とは必ずしも事実ではなく、 時の権力者によって描かれた、 「ストーリー」であることを忘れてはならない。 だがそれは、 子供の頃からそのような「ストーリー」を、 刷り込まれてきた我々日本人には、 もはや克服できず、 本書の著者のような、 海外からの眼を以てし […]

「書物と貨幣の五千年史」(永田 希)

任意の断面においては、 ナルホド、と思える箇所もあるのだけれど、 全体として見ると、 何が言いたいのか不明。 これが小説であれば、 奇しくもこの本で同様に紹介されている、 芥川の『文芸的な、余りに文芸的な』に書かれているような、 セザンヌ絵画にも喩えられるべき、 「純粋な小説」として享受できるのだが、 論考となると、 やはりロジカルで論旨が明瞭なことを、 第一とすべきだろう。 タイトルからは想像付 […]

「古代中国の24時間-秦漢時代の衣食住から性愛まで」(柿沼 陽平)

紀元前数百年~紀元前後の中国における、 人々の生活の有様を、 一日24時間の流れの中で、 解説している。 衣食住や仕事についてはもちろん、 仕事終わりの居酒屋模様や、 恋人同士や夫婦の性生活など、 2,000年以上前の外国のことなのに、 現代の我々の感覚から、 それほどズレていないことばかりで、 納得感というか、 親近感をもって読むことができた。 受験勉強までに習った歴史というのは、 政治史を中心 […]

「シルクロード~流沙に消えた西域三十六か国」(中村 清次)

NHK特集の『シルクロード』の、 取材班団長が著者ということもあり、 番組閲覧とセットで読んだ方がいい。 番組の方は、 ロードムービー的な色合いが、 濃かったように思うが、 この本は、 シルクロードと西域諸国が、 中国の各王朝にとって、 どのような意味を持ち、 そしてそこに、 どのような歴史が繰り広げられてきたのか、 の解説に焦点をおいている。 特に序盤に書かれていた、 中国の絹織物文化と、 西域 […]

NHK特集「シルクロード」

1980年代に全12回で放送された、 伝説の番組「シルクロード」を、 NHKオンデマンドで視聴した。 我々日本人の民族的ルーツには、 まだ定説はないが、 文化的ルーツとしては、 中国が絶対的な存在であり、 そしてその中国の文化を考察するにおいては、 「シルクロード」による、 西域との関係を無視することはできない。 いや、無視することができないどころか、 文化だけではなく、政治面においても、 漢民族 […]

「歴史を変えた6つの飲物」(トム・スタンデージ)

文化史、経済史、政治史、 というレベルで、 世界史を語ることはできるけれども、 例えば、 音楽史、絵画史、読書史、 では「世界」は語れない。 だが、酒は違う。 酒は、この地球上に生まれて以来、 万人を熱狂させ、 時には権力と結びつき、 時には人々の争いを招き、 そして何よりも、 常に人々の生活の、 「ほぼど真ん中」にあった。 しかし酒が人を酩酊させることは、 利点であると同時に弱点でもあり、 人を […]

「司馬江漢『東海道五十三次』の真実」(對中 如雲)

歌川広重の「東海道五十三次」は、 言わずと知れた、 世界的な名作浮世絵であるが、 まさかそれに「パクリ元」があり、 しかもそれを司馬江漢が描いていたとは…。 当然ながら、 江漢の「五十三次」には、 贋作説もある。 しかしこの本では、 まるでミステリー小説において、 名探偵が犯人のアリバイを、 ひとつずつ崩していくかのように、 江漢の「五十三次」が、 紛れもない真作であること、 そして広重が(悪い意 […]

「古代日本の官僚-天皇に仕えた怠惰な面々」(虎尾 達哉)

かつて深夜残業が続いていたときに、 毎夜タクシーで帰宅していたことがあるのだが、 霞が関の省庁の前を通り過ぎるとき、 「客待ちタクシー」の多さに、 驚いたという経験がある。 一時期ニュースでも、 官公庁の「ブラック勤務」について、 話題になっていたが、 そう、日本の官僚は、 とにかく勤勉なのである。 7、8世紀の頃、 「神にしませば」とうたわれた天皇を中心に、 中国を真似て、 「律令国家」を完成さ […]

「源範頼 (シリーズ中世関東武士の研究 第14巻) 」(菱沼 一憲 )

源義経と同様、頼朝の弟として、 平家追討の大将でありながら、 美化・英雄化された義経と比べ、 あまりにも影の薄い源範頼という武将。 小中学生の頃、 吉川英治(たぶん)の『平家物語』を読んで以来、 自分の中でくすぶっていた、 「源範頼とは、果たしていかなる武将なのか」 という疑問を解き明かすべく、 6,500円という高価な本だけれど、 読んでみることにした。 (それにしても、範頼関連の本は少ない!) […]

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