音楽

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「クラシック音楽 名曲名演論」(田村 和紀夫)

  よくある音楽好きによる、思い込みの激しい偏向的な読み物とは一味違って、 この本のベースには譜面があり、スコアがある。 それが良いのか悪いのかはさておき、 あたかも文学作品であるかのように譜面を読み、そこにある音や作曲家の指示を理解した上で、 「そうであるがゆえに、ここはこう演奏するのが正しいと思うのであり、 それを実現している演奏は●●である」、 という流れで、各曲を解説している。 […]

「私の音と言葉」(野口 剛夫)

  本書はおもに、「クラシック音楽のあるべき姿」と、 「音楽市場の現状」との差について語ったエッセイを、一冊にまとめたもの。 なんというか、いまだにこういう狭い見方で 音楽を語る人がいるというのは、驚きだった。 少なくともこの本の中で、著者が語る音楽とは、 クラシック音楽に限ったものであり、 しかもほぼすべてがオーケストラ作品のみ。 それでもって、楽器を弾くだけのやつは音楽を分かっていな […]

「パリの空の下 演歌は流れる」(吉田 進)

  フランス在住の日本人作曲家による、音楽とは何か、を探るエッセイ集。 最初は、「フランスかぶれ」で鼻につくなー、と思っていたのだけれど、 第六章の「国歌とは何か」で評価はガラリと変わった。 「君が代」が悪いとか「ラ・マルセイエーズ」が良いとか、 そういう些細なことではなく、 国歌と国民とのあり方について深く思索し、 最終的には、国という存在についてまで言及していく。 一時期巷で騒がれて […]

「138億年の音楽史」(浦久 俊彦)

  良い本だとは思うが、 あまり期待しすぎるとガッカリするかもしれない。 宇宙のはじまりはエネルギーのゆらぎだし、 量子論にせよひも理論にせよ、 宇宙の根本にはゆらぎ(波動)がありそうだというのは ある程度確かなのかもしれないが、 百歩譲って、そこに「音」があったとしても、 それと「音楽」とを結び付けるのは短絡的だと思う。 現象としての「音」と、人工物としての「音楽」の違いは明確であり、 […]

「響きの科学」(ジョン・パウエル)

  本屋へ行くと、新刊コーナーは必ずチェックをし、 そこにある興味のある本は目を瞑って買ってしまうのだが、 なにせ新刊書なので、既に持っている本をダブって買ってしまう、 という事故は極めて少ない。 今回の場合、結論を先に言えば、 極めて少ないはずのその事故に遭ってしまったのだが、 その理由は、既に持っていた方がハードカバーで、今回のは文庫本、 しかも表紙のデザインも違えば、タイトルも若干 […]

「わたしの嫌いなクラシック」(鈴木 淳史)

  「好き・嫌い」というのは、便利な表現方法である。 「良し・悪し」で物事を判断してしまうと、 今度はその判断自体が正しいかどうかの議論になってしまうけれど、 「好き・嫌い」というのは、 完全にその人の主観なので、誰も立ち入ることはできない。 ましてやそれが芸術分野のことになれば、 千差万別、十人十色、蓼食う虫も好き好き、というやつで、 何を好きだろうが嫌いだろうが、あぁ、そうですか、と […]

「バロック音楽」(皆川 達夫)

  少なくとも日本人においては、 クラシック音楽に対して、 「似非進化論」的な捉え方、つまり、 新しきは古きを凌駕する、という考えが、 根強く残っている気がしている。 自分自身が受けた音楽教育を振り返ってみても、 クラシック音楽は、 バロック-古典派-ロマン派 の順で「進化」してきたのであり、 バロック以前の音楽ともなれば、 それはまるで、多細胞生物以前の単細胞生物であるかのように、 不 […]

「音楽の形式」(アンドレ・オデール)

  音楽事典から、クラシック音楽の形式だけを抜き出して、 詳しい解説を加えたような本。 事典風にはなっているものの、 組曲がいかにしてソナタになっていったか、など、 音楽史としての一環した姿勢を貫いているため、 読み物としても分かりやすい。 ただ、読後に振り返ってみると、 「メヌエット」や「アリオーソ」はあるのに、 「ガヴォット」や「サラバンド」がないなど、 かなり内容が端折られている気 […]

「戦争交響楽」(中川 右介)

  ナチスが政権を握る直前から、 第二次世界大戦終戦までの間における、 クラシック音楽家約100人の生き様を描いた力作である。 ひとりずつについて記す「紀伝体」ではなく、 年代順に書かれた「編年体」の形式で書かれているため、 読む側としては、実際の戦争の進展に合わせて、 音楽界がどのように動いていったかがよく分かるのであるが、 書く側としては、ものすごい労力がいったであろう。 その分、音 […]

「雪のなかのアダージョ」(粟津 則雄)

  クラシック音楽に関するエッセイ集だが、 演奏家についてが5割、 作曲家についてが4割、 それ以外が1割、 という構成で、 余程の音楽好きじゃないと、アシュケナージとバレンボイムの違いとか、 おそらく「???」だと思うから、 まぁ、マニアックな著作だといっていい。 でも、○○○のピアノは時代を反映している、とか、 ●●●の指揮は構造を把握している、とか、 演奏についての評論は、言ったも […]

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