何やらショッピングセンターのような名前の付いたこのローバー。

300m・1tという巨体を、
無事着陸させたアメリカの技術はさすがではあるが、
2000億円もかける価値があるかどうかは、
はなはだ疑問だ。

火星には何十年も前にバイキングが着陸しているし、
このブログでも紹介した先輩のローバー、Opportunityも、
いまだ健在である。

現代の科学は、理論・予想がまずあり、
それを実験・観察で裏付けるという流れが主流だ。

20世紀のはじめに、相対性理論・量子論が生まれてからは、
理論・予想が大幅に先行しており、
あとはいかにしてそれを実証するか、
というのが、科学の使命だと言ってもよい。

先日のヒッグス粒子も、然り。

いまどきの科学の書物では、
ヒッグス粒子は「当然あるもの」として書かれているぐらいだから、
個人的には「まだ発見されていなかったんだっけ?」という感じだった。

つまり、実証されているかどうかにかかわらず、
「科学の眼」が行き届いていない場所は、
極めて少なくなってきている。

そんな中で、「ご近所」の火星から、
驚くべき事実が見つかるのだとしたら、
タコ型の火星人を発見したときぐらいだろう。

何百年後に実現するかは分からないが、
NASAが本気で火星への移民を計画しているのであれば、

この機会に地球の動植物を、
火星に持ち込んでみるぐらいのことをしてもよいはずである。

それぐらい火星への探査機着陸というのは困難であり、
何度もチャンスのあることではないのだ
(現にソ連は一度も成功させていない)。

だから、いまさら巨大なローバーを、
派手なパフォーマンスとともに送り込むのは、

ちょうどオリンピックに合わせた、
アメリカお得意の国威高揚のアレだと思えてならない。

「curiosity」=「好奇心」。

このネーミングが皮肉ではないことを、祈りたい。

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