本・読書

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「エイリアン──科学者たちが語る地球外生命」(ジム・アル=カリーリ)

タイトルと装幀だけ見ると、 いわゆる「トンデモ科学本」、 要はオカルトの類(たぐい)と勘違いしがちだが、 真面目な科学アンソロジー。 マーティン・リース、イアン・スチュアート、 ポール・C.W.・デイヴィスといった、 (たぶん)このブログでも紹介したことのある、 天文学、物理学、生物学、化学、心理学などの、 各ジャンルの第一線で活躍する学者たちが、 地球外生命の可能性について語った文章をまとめたも […]

「時間は存在しない」(カルロ・ロヴェッリ)

物理学の最前線にいる著者による、 「時間とは何か」を論じた本。 論旨は明快だ。 まずは相対性理論により、 ニュートン以来信じられていた「絶対的な時間」が、 存在しないことを示す。 次に量子力学の説明に移り、 ・位置が決まると、速度が決まらない ・速度が決まると、位置が決まらない という有名な性質は、順序を入れ替えると成立しない、 つまり量子変数の「非可換性」について述べ、 この順序の違いこそが、時 […]

「日本人の給与明細 古典で読み解く物価事情」(山口 博)

奈良時代から江戸時代にかけて、 庶民や貴族、武士たちが、 現代の貨幣価値に換算すると、 果たしていくら稼いでいたのか、 について、さまざまな文献や史料を元に検証した本。 収入を得るということは、 (当然ながら)何かしらの経済的活動がそこにはあったわけで、 各時代に、どのような仕事をしたり、 どのような買い物をしたりといった、 生活の詳細まで知ることができて、かなり興味深い本である。 中でも意外だっ […]

「アデスタを吹く冷たい風」(トマス・フラナガン)

たまに探偵小説とかミステリー小説が読みたくなって、 でもあまりそっち方面は詳しいわけでもないので、 amazonでオススメされたこの本を。 作者のトマス・フラナガンは1923年生まれなので、 もはや古典と言ってもいいのかもしれない。 7つの短編からなっているのだけれど、 約半分は「テナント少佐」が活躍(?)する物語で、 そちらの方が味わい深い。 舞台は地中海に面した架空の国で、 革命により地位を手 […]

「タイトルの魔力―作品・人名・商品のなまえ学」(佐々木 健一)

主に美術作品を題材として、 作品とタイトルとの関係、そしてタイトルとは何なのか、 について論じた本。 扱う内容が巨大すぎて、 新書のボリュームでは耐えきれないのと、 文章がややくどいこともあり、 ちょっと不完全燃焼な感はあるが、 芸術作品以外でも、 普段何気なく手にする小説から商品に至るまで、 なぜそのようなタイトル(ネーミング)なのか、 そこにはどのような意味が込められているのか、 などを考える […]

「奇書の世界史 歴史を動かす“ヤバい書物”の物語」(三崎 律日)

奇書=奇妙な内容の本、と考えると、 そんなものは地球上に山ほどあるわけだが、 本書の中での奇書の定義は、 かつては非常識であったが、今では常識となった内容が書かれた本 あるいはその逆の本 ということになっている。 なので、ちょっと奇書と呼ぶには憚られるような書物、 例えば、 『ルバイヤート』(ウマル・ハイヤーム) 『月世界旅行』(ジュール・ヴェルヌ) 『天体の回転について』(コペルニクス) のよう […]

「典拠検索名歌辞典」(中村 薫 編)

本当は久保田淳の新編の方を買いたかったのだけれど、 古本でも3万円ぐらいするので、 オリジナルの方を買うことにした。 明治以前の和歌の中から、約8,000首の名歌を選び、 それらがどの作品でどのような形で引用されているか、 を記したもので、 古典を読むものにとっては、 まことに興味深い資料となる。 和歌という芸術は、 決してその一首だけを鑑賞するのではなく、 勅撰和歌集であれば、他の収録歌を含めた […]

「敗者の古代史 戦いに敗れた者たちはどうなったのか?」(森 浩一)

今更言うまでもなく、 一国の歴史というものは、権力による「検閲」を免れない。 ましてやそれが、 『古事記』や『日本書紀』に書かれた我が国の歴史ということになれば、 すべてがフィクションとは言わないまでも、 権力側による捏造・歪曲が、 加えられていない方がおかしいぐらいである。 特に、権力に楯をついて敗れ去った者については、 「負ければ賊軍」の言葉どおり、 記紀の記述は、あからさまに冷淡になる。 果 […]

「敗戦日記」(高見 順)

1945年の1月1日から12月31日まで、 ほぼ毎日綴られた日記である。 僕は高見順という作家の作品を、 実は読んだこともなかったし、どんな人物かもよく知らない。 だから偏見が混じることなく、 1945年という敗戦の年の出来事を綴った貴重な記録として、 接することができた。 戦争末期、そして戦後直後に、 東京の街はどういう様子だったのか、 日本人はどのような生活をしていたのか、 それらを知ることが […]

「統計数字を疑う なぜ実感とズレるのか?」(門倉 貴史)

世の中の統計と呼ばれるものには、 意図したものであれ、そうでないものであれ、 さまざまなバイアスやごまかしが潜んでいることを、 具体例とともに説明した本。 身近な例でいえば、「平均寿命」。 一見、何の間違いも生じないような単純な平均計算のように思えるが、 その計算方法を知ることで、 なかなか一筋縄ではいかないことが分かる。 また、「有効求人倍率」や「犯罪検挙率」といった、 普段のニュースでよく耳に […]

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