本・読書

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「東路記」(貝原 益軒)

「東路記」(あづまぢのき)は、 ・東海道記 ・美濃近江路記 ・播州高砂より室迄之路記 ・東山道記 ・自江戸至日光路之記 ・日光より上州倉賀野迄の路記 ・濃州関が原より越前敦賀へ行路記 ・越前敦賀より京都への路記 ・厳嶋の記 からなる。 この紀行文が、 例えば芭蕉の「奥の細道」とほぼ同時期の作品ながら、 その性格が全く異なるのは、 作者である貝原益軒の、 客観的かつ科学的素養によるものだろう。 だか […]

「検察側の証人」(アガサ・クリスティー)

なんとなくミステリーが読みたくなり。 アガサ・クリスティーは、 少年時代に随分読んだ気がするのだが、 この作品は知らなかったので、 Kindleでポチってみたところ、 元々は短編小説であるらしく、 それを脚本化したのが本作とのこと。 脚本は読み慣れないのと、 どうせなら小説版がよかったなー、 と思いながら読み進めたのだが、 逆に脚本版の方が、 無駄な説明がないというか、 すべての描写を、 基本的に […]

「辞書から消えたことわざ」(時田 昌瑞)

主に明治時代以前の文献には見られるが、 現在では、辞典にすら載っていない、 約200のことわざについて、 用例とともに、 それぞれの魅力について語った本。 例えば、 漱石の『愚見数則』にあるそうなのだが、 言う者は知らず、知る者は言わず なんて、意味も明解だし、 覚えやすい対句だし、 現代で使われてもよかろうと思ったり、 浮世草子の『武道張合大鑑』が出典だという、 人間は四百四病の入れ物 なんての […]

「酒から教わった大切なこと 本・映画・音楽・旅・食をめぐるいい話 」(東 理夫)

読書と酒は似ているところがあって、 これはheavyだな、と思っても進みが早かったり、 逆に、lightだと思ったら結構時間が掛かったり。 酒に関するエッセイを集めたこの本は、 ひとつひとつは、 電車の一駅分にも満たないぐらい短く、 かつ内容的にもスラスラと読めるのだが、 (悪い意味ではなく)まるで薄い酒をちびちびと舐めているようで、 読み終わるのに、案外時間を要してしまった。 長編小説を、寝る間 […]

「地震の日本史―大地は何を語るのか」(寒川 旭)

以前から「理科年表」にある、 過去の地震記録を眺めるのが好きなのだが、 ただそこには、震源の緯度経度と、 マグニチュードが記載されているぐらいで、 いわゆる「データ」と化している。 この本は、過去の大地震について、 単なる「データ」としてではなく、 それらが当時の人々に、 どのような影響をもたらしたかという、 「生きた記録」として紹介したものである。 文字記録のない時代については、 遺跡に残る痕跡 […]

「博士と狂人―世界最高の辞書OEDの誕生秘話」(サイモン・ウィンチェスター)

OED(オックスフォード英語大辞典)といえば、 英語圏においてはもちろん、 世界最高級の辞典であるとともに、 人類の著作史上における、 最高傑作と呼んでも過言ではないかもしれない。 19世紀の半ば、 ヴィクトリア朝大英帝国において、 ありとあらゆる英語を、 その用例とともに収録することを目指し、 全12巻、完成まで70年、 40万以上の見出し語と180万以上の用例、 その規模は、例えば、 動詞se […]

「日本の偽書」(藤原 明)

この本は、いわゆる「偽書」として名高い、 『上記』『竹内文献』『東日流外三郡誌』『秀真伝』『旧事本紀』 について、 それらの内容云々よりも、 いかなる事情の下、いかなるプロセスで誕生したのか、 を解き明かすことをテーマとしている。 そもそも「偽書」に対するイメージは、 おそらく人によって様々であるし、 定義すら難しいのではないかと思うが、 この本では、偽書とは、 「作者・書名を偽った、文字を用いた […]

「天才たちの日課」(メイソン・カリー)

作家、作曲家、画家、思想家、学者など、 クリエイティブな仕事をしている161人について、 仕事や食事、睡眠などの、 日々の習慣について紹介した本。 とにかく長い! ベートーヴェンやピカソといった、 「誰でも知っている」人だけではなく、 その道の専門じゃないと知らないだろう、 と思われる人も含まれているのと、 あとは何といっても、 中身が面白い・面白くないにかかわらず、 とにかく「日課」に関するもの […]

「光と風と夢」(中島 敦)

漢籍や歴史の登場人物を主人公としたうえで、 彼らに「近代的」ともいえる自我を持たせ、 人生や芸術について葛藤する姿を描く、 というのが、 中島敦の得意な創作パターンであるが、 この「光と風と夢」は、 「宝島」や「ジキル博士とハイド氏」の作者として有名な英国の作家、 スティーブンソンによるサモア滞在中の日記という形式をとっている。 はっきり言って、 ストーリーらしきものは、ほぼない。 描かれているの […]

「東京の幽霊事件 封印された裏歴史 」(小池 壮彦)

まずは、私見から。 現代は幽霊や妖怪が住みづらい時代である、 とはよく言われるが、 しかし急速に近代化を進めた結果、 「近代的なもの」と「前時代的なもの」との、 歪みというかムラが生じてしまい、 そのムラこそが、逆に、 幽霊や妖怪の住処になっているとは言えないだろうか。 おそらくあと100年ぐらい経って、 キレイさっぱりと近代化が行き届いてしまえば、 その時こそはまさに、 幽霊や妖怪たちには退場い […]

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