本・読書

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「物理法則はいかにして発見されたか」(R.P.ファインマン)

ファインマンによる、 1964年のコーネル大学での講演と、 その翌年のノーベル賞受賞講演の、 2つが収められている。 前者の方は、重力の法則から量子力学まで、 物理の世界の具体例を挙げながら、 既知の法則からいかにして新たな法則を導くか、 について、専門家以外にも分かり易いように語られている。 後者は量子電磁力学の専門的な内容を含むものだが、 我々は、ともすると科学者というものは、 何やらエクセレ […]

「うたたね」(阿仏)

作者は『十六夜日記』で有名な、阿仏(または阿仏尼とも)。 十代後半の宮仕え時代に、 妻子ある男性と恋をして、フラれて、 出家して、傷心の旅に出て、という自伝的作品。 作者自身が自らの性格を、 「うちつけにものむつかしき心のくせになん」と書いているぐらい、 とにかく衝動的で、 いわゆる「めんどくさい」女性の典型。 男の側からしても、そういう性格に懲りたのか、 段々と通わなくなってしまい、 その辛さを […]

「東関紀行」

齢は百とせの半に近づきて、鬢の霜やうやくに涼しといえども、 なす事なくして徒に明し暮すのみにあらず、 さしていづこに住みはつべしとも思ひ定めぬ有様なれば という、さりげない中にも格調の高さがあるフレーズで始まる、 13世紀前半、不詳の作者の手になる紀行文。 京都から鎌倉へと下る道中を綴っているという点までも、 以前紹介した「海道記」と共通であるが、 あちらがかなり難解な和漢混淆文だったのに対し、 […]

Kindleデビューしてみた

自分も含めて、「本好き」と呼ばれる人たちは、 読書という行為だけでなく、「本そのもの」が好きなのは間違いない。 装幀、手触り、ページをめくるときの感覚、 読後に本棚にまた一冊仲間が加わったときの喜び、などなど、 「本そのもの」の魅力は計り知れない。 一方で、このまま蔵書が増え続けたらどうしよう、 という不安もある。 現実的には、 「手元に残しておきたい本」と「手元に残さなくてもよい本」に分類し、 […]

「江戸・東京色街入門」(八木澤 高明)

現代の東京のあちこちに残る「色街」の名残を、 実際にそこを歩いた感想や、豊富な写真を元に語っている。 吉原、浅草、根津、深川・洲崎といった、 東京の東エリアであれば、 自分もそれなりに知ってはいたのだが、 三鷹、調布、府中、立川、八王子、武蔵新田、町田といった西エリアになると、 そもそもそこに色街があったことを知らなかったり、 たとえば立川のように「あぁ、なるほどね」と思ったり、 興味深い発見が多 […]

「人体 失敗の進化史」(遠藤 秀紀)

最初はウェットな文体で抵抗があったのだけれど、 読むうちに著者の「熱さ」と語り口の魅力に引きずり込まれてしまい、 読後は拍手喝采を送りたいような気持ちにさえなった。 ナメクジウオから始まった脊椎動物が、 我々ヒトに進化する過程においては、 さぞかし華麗なる変異・変身の歴史があるのだろうと思いたくなるが、 著者はそれを明確に否定する。 曰く、進化とは間に合わせの改良の積み重ねだと。 つい先日、こちら […]

「海道記」

13世紀の前半、京を出発した作者が、 鎌倉に下った際の紀行文。 作者は、かつては鴨長明ともいわれていたらしいが、 年代が合わず、 全体が漢文書き下しの形式で書かれていることや、 内容の思想性からも、 『平家物語』の成立に深く関係する人物の手によるものだろう、 というのが通説になっているらしい。 さて内容については、例えば、 但極楽西方ニ非ズ、 己が善心ノ方寸ニアリ。 泥梨地の底二非ズ、 己が悪念の […]

「星屑から生まれた世界 進化と元素をめぐる生命38億年史」(ベンジャミン・マクファーランド)

  地球の歴史を「元素」という観点から語った本。 十代の頃から、物理・地学は好きだったものの、 化学は大嫌いだったわけだが、 この本で繰り返し出てくる元素記号を眺めているうちに、 だんだんと化学が好きになってきた。 ある意味、生物が生まれる前の初期の地球というのは、 化学の実験室のようなもので、 リンや炭素、酸素といった材料から、 生物が誕生するまでの流れは、まるで小説を読んでいるかのよ […]

「地球46億年 気候大変動」(横山 祐典)

  サブタイトルは、 「炭素循環で読み解く、地球気候の過去・現在・未来」。 ブルーバックスって、 何となく高校生向けの科学一般書というイメージが強くて、 この本もそのつもりで気軽に手に取ってみたのだけれど、 なかなか専門的でヘヴィーな内容だった。 人間の活動に起因する二酸化炭素の増加により、 地球気候が温暖化しているのは疑いようのない事実だが、 けれど、それ以外の原因によっても、 長期的 […]

「高倉院升遐記」(源 通親)

  「升遐」とは天皇や貴人の死のこと。 以前紹介した「高倉院厳島御幸記」同様、源通親による日記で、 厳島への旅から戻って約1年後に高倉院が崩御、 その悲しみの心の中や院との思い出を、 100首以上の和歌をメインに綴った、歌日記的な作品。 源通親という人は、かなりの政治家だったようで、 そう考えると、この作品も彼の真の心の声というよりは、 どうも世間に対する「忠義心」のアピールのような気が […]

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