百人一首替へ歌

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百人一首替へ歌(No.30)

第五十九番歌 【原歌】 やすらはで寝なましものをさ夜更けて かたぶくまでの月を見しかな (赤染衛門) 【替へ歌】 寝ては覚め起きてはまどろみさ夜更けて 月の軌跡を辿りつるかな このあたり、女流歌人の作品が続く。 原歌の意味は、 あれこれ考えずに寝てしまえばよかったのに。 でもあの人のことを考えると、眠れずに、 気が付いたら夜も更けて、 月が沈もうとしているのを見ることになったよ。 という感じ。 月 […]

百人一首替へ歌(No.29)

第五十七番歌 【原歌】 めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に 雲隠れにし夜半の月影 (紫式部) 【替へ歌】 懐かしき友にすれ違ひ振り向けば ただ月影の夜半の街かな 原歌は、詞書により、 旧友との束の間の再会の名残惜しさ、 を詠んだものだと分かる。 まるで月が雲に隠れるかのような、 あっという間の再会だったと、 後半が前半の喩えになってはいるものの、 実景なのか比喩なのか、 どちらとも取れる絶妙な表 […]

百人一首替へ歌(No.28)

第五十五番歌 【原歌】 滝の音は絶えて久しくなりぬれど 名こそ流れてなほ聞こえけれ (大納言公任) 【替へ歌】 かの人の記憶は絶えて久しけれど 名こそ手元になほ残りけれ いきなりの言い訳にはなるが、 前回の更新から3週間以上も経ってしまった。 忙しかったことも事実だが、 今回の二首があまりに名歌であることと、 人麻呂についての評論を読んでいたこともあって、 こんなことをやっていて意味があるのか的な […]

百人一首替へ歌(No.27)

第五十三番歌 【原歌】 嘆きつつひとり寝る夜の明くる間は いかに久しきものとかは知る (右大将道綱母) 【替へ歌】 久しきは秋の夜ならず嘆きつつ ひとり寝ゆゑと君やは知るらむ 二人で寝る夜はあっという間だけれども、 ひとり寝の夜は長いものだということを、 あなたは知らないでしょう、 という、『蜻蛉日記』の作者による原歌。 「かは」による反語表現を継承しつつ、 長いのは秋の夜長のためではなくて、 ひ […]

百人一首替へ歌(No.26)

第五十一番歌 【原歌】 かくとだにえやは伊吹のさしも草 さしも知らじな燃ゆる思ひを (藤原実方朝臣) 【替へ歌】 春来ぬと誰か伊吹のさしも草 さしも知らずに心浮きつつ 原歌は、まるでパズルのように、 技巧を散りばめた秀歌。 「伊吹」に「言ふ」を掛けて、 「さしも草」から同音の「さしも」を導き、 「思ひ」の「ひ」は「火」にかけて、 「燃ゆる」の縁語となる。 さらに前半が序詞になっており、 この手の歌 […]

百人一首替へ歌(No.25)

第四十九番歌 【原歌】 御垣守衛士の焚く火の夜は燃え 昼は消えつつものをこそ思へ (大中臣能宣朝臣) 【替へ歌】 夜は燃え昼は消えつつあてもなき 恋火をただに守りつるかな 「御垣守衛士の焚く火の」という、 序詞が特徴的な原歌。 昼はぐっとガマンして、 夜になるとやたらと逢いたくなるという、 現代でいえば職場恋愛みたいな状況を、 想像してみるとよいのかな。 ただやはり序詞が、 あまりにも現代向きでは […]

百人一首替へ歌(No.24)

第四十七番歌 【原歌】 八重むぐら茂れる宿の寂しきに 人こそ見えね秋は来にけり (恵慶法師) 【替へ歌】 八重むぐらかき分け友の来ぬるかと 宿出てみれば秋風ぞ吹く 八重むぐらが茂る寂しい我が宿に、 人は訪れないのに秋が来ちゃったよ、 というこの季節にピッタリな(?)原歌。 「八重むぐら茂れる宿」という、 場面設定だけで十分なのに、 そこに「寂しき」という主観をダメ押ししたのは、 ちょっとクドいかな […]

百人一首替へ歌(No.23)

第四十五番歌 【原歌】 あはれともいふべき人は思ほえで 身のいたずらになりぬべきかな (謙徳公) 【替へ歌】 いたずらになりぬる後にあはれとも いふべきものと待ちつつあるを 詞書によると、この原歌は、 自分を振った相手を恨めしく思って、 送り付けた歌だという。 歌意としては、 振られた私を、 可哀想だと言ってくれる人なんて思い付かず、 私はこのまま死んでしまうでしょうよ っていう感じで、 前から続 […]

百人一首替へ歌(No.22)

第四十三番歌 【原歌】 逢ひ見てののちの心にくらぶれば 昔はものを思はざりけり (権中納言敦忠) 【替へ歌】 恋心打ち消す如くすでに我が 肉体は知りぬ愛の温度を 第四十三・四十四番歌は、 歌自体も作者名も似ていて、 ちょっと紛らわしい。 こちらの四十三番歌は、 あの人と実際に愛し合ってみると、 以前の気持ちとは比べ物にならないぐらい、 好き度合いが増してるなぁ、 という、 まぁ言ってしまえば、 結 […]

百人一首替へ歌(No.21)

第四十一番歌 【原歌】 恋すてふわが名はまだき立ちにけり 人知れずこそ思ひそめしか (壬生忠見) 【替へ歌】 人知れず止みにしものを恋すてふ わが名ばかりはあとに残りて 原歌は「忍ぶ恋」として、 第四十番歌の、 忍ぶれど色に出でにけりわが恋は ものや思ふと人の問ふまで (平兼盛) と、歌合で競い合った歌。 結果としては、 帝が「忍ぶれど…」と口ずさんだことで、 四十番歌が勝ったわけだが、 確かに、 […]

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