自分の本棚を一冊ずつ紹介するペースよりも、
新しい本を読むペースの方が早くて、
途方に暮れているわけです。実は。
そんな愚痴はさておき、例えば重力加速度gや、
光速度cの値が少しでも違っていたら、
宇宙はどうなっていただろうか。
間違いなく、我々人類は生まれていなかっただろう。
しかしそれでも、そんな環境下で生物が誕生する可能性は否定できない
(どの値がどれぐらい違っていたかにもよるが)。
そうしたらその生物は、また同じことを思うのだろう、
「この値が少しでも違っていたら、我々は誕生していなかっただろう」と。
宇宙における物理定数が、なぜ人間に適切な値をとっているのか、
を考えることは愚かなことだ。
なぜならば、そのような値をとっているから我々人間が存在するのであって、
そこを逆にとらえてしまうと、
人間中心主義的に陥る恐れがあるからで、
ただ忘れてはならないことは、
もし仮に別の宇宙が、我々の宇宙と同じ物理定数だったとしても、
我々人間のような生物が誕生し得る可能性は、極めて低い。
人間が誕生するには、この宇宙のような物理定数は必須だけれども、
この物理定数さえあれば、
人間のような生物が必ずしも誕生するわけではない。
そこには、物理定数とは別の、
進化論という大いなる壁が立ちはだかることとなる。
さてこの書物で取り上げられている「6つの数」とは、何か。
僕の正直な感想としては、
「そんな6つじゃなくて、もっと重要なものがあるでしょうに・・・」というもの。
「宇宙を支配する6つの数」という定義は微妙で、
ある人にとっては、
①生涯で付き合った異性の数
②センター試験の点数
③ドラクエのレベル数
④クレジットカードの限度額
⑤マイカーのリッター当りの走行距離
⑥ビックカメラのポイント数
という6つの数こそが最重要だ、という人もいるわけで。