面白い本はどこに転がっているか分からない。
だから本屋通いはやめられない。
この本も最初に手にとったときは、ポップすぎるイラストのために、
うっ、、と思ってしまったものだが、
そのイラストやライトな語り口とは裏腹に、内容はかなり濃い。
つまり、著者側の作戦にまんまとハマってしまった形だけれども、
それはそれでキモチイイのも、本を読む楽しみの1つでもある。
一言で「デザイン」といっても、
そこにはプロダクトデザインやグラフィックデザイン、
空間デザイン、ウェブデザインなど多くが含まれるし、
じゃあ「デザインの仕事」といったところで、
デザイナーもいれば、ディレクター、PM、代理店・・・・
イロイロな思惑や利権やポジション争いといった、
「雑多のもの」がウヨウヨしているわけで。
この本は、そんな「ウヨウヨ」した雑多なものを、
ぐしゃっ、と詰め込んだものになっていて、
秩序立てて整理し、分かりやすく説明しよう、
という意図は、ここにはおそらく、ない。
でもそれが、ぐちゃぐちゃになった人の頭の中を覗き込むみたいで、
ものすごく面白いのだ。
内容的にかなりディテールに踏み込んでいる箇所もあるので、
チンプンカンプンなところもあるけれど、
こういう本を読んで、脳味噌に対流を起こさせてみるのもよいだろう。