本のタイトルは「広告のデザイン」。
今や広告はコミュニケーションツール、
つまりデザインの領域として語られるのが当たり前だけれども、
かつて(そして今も一部では)広告は、
一種のアートであったことを教えてくれる。
パソコンがここまで進歩した現在、
誰もがデザインをできるようになった。
でもこの本で紹介されているような、
1950年代のデザインは、パソコンなしでの完成度。
デザイン=テクニックではないことを、痛感する。
コミュニケーション要素はもちろんだけれども、
そこにはストーリーもあるし、
プライドもある。媚びていない。
その意味で、やはりアートなのかもしれない。
そんな中で、意外な発見だったのが、
1950年代の東ドイツの広告。
実際には商品不足で、
あまりに魅力的な広告は規制されていたそうなのだが、
それを差し引いても新鮮だ。
その国の文化を知りたいなら、
まずは広告を見るのがよいかもしれないと思った。