今さらガウディの伝記なんて・・・
と思われるかもしれないけれども、
この本の素晴らしいところは、
ガウディを語ることでカタルーニャとは何なのか?
を同時に語っていることだろう。
19世紀後半から20世紀初頭にかけての、
ピカソとガウディが生きたバルセロナという都市の生臭さと活発さが伝わってくる、
新書にしては十分すぎる内容。
建築を本で語るのには限界がある。
ましてや文字だけならなおさらのこと。
だったら、建築そのものよりも、
その建築を生んだ特殊な土地・民族条件について語ってしまおう、
という著者の「開き直り」が心地よい。
あくまで僕個人としては、
ガウディのデザインは好きじゃないけど。