現代の暦には、明治以降の太陽暦(新暦)と、
西暦700年ぐらいに大陸から渡ってきた太陰太陽暦(旧暦)、
そしてそれ以前の日本古来の太陰暦(太古暦)の3つが混在しており、
二十四節気をベースに各季節の解説をしながら、
これら3つの暦の絡まった紐をほどいていく、、、
というのがこの著作の狙いなんだろうけれど、
各季節ごとにそれぞれに属する季語の説明があるのだが、
その1つ1つにもれなく著者自身の句がまぎれこんでいるのが、
この上なく鬱陶しい。
とういうか、自分の句がまずありきで、
そこから紹介すべき季語をピックアップしているとしか思えない。
一般教養書のフリをした自選句集ですな、これは。
芭蕉や蕪村の句と自分の句を並べて恥ずかしくないのだろうか、
とその神経を疑ってしまう。
筑摩書房ともあろう出版社が、
こんな本を出すのはいかがなものか。
公私混同甚だしい。