世界一周には遠く及ばないが、
東京・福山間の新幹線での往復で読み終えた。
激しい覇権争いを繰り広げていた当時のスペイン・ポルトガルにおいて、
ポルトガル人のマゼランが、
スペイン国王の命を受けて航海に出た意義というのは、
それが「歴史上初の世界一周」であった事実以上に大きなものである。
大船団を組んだものの、
帰国したのはわずか18名。
船上で、そして停泊先で一体何が起きたのか。
帰還メンバーの1人であるピガフェッタの著作とメンバーの証言を記録した、
トランシルヴァーノによる著作を収めた興味深い一冊。
「大航海時代」という「陣取合戦」に翻弄された歴史の事実は、
物悲しくさえある。