ピカソ、ドガ、ルノワール、マネ、ルソー、
そしてモディリアーニ。
主に「モンパルナスの画家たち」の生き方と、
それを支えた女性たちの物語。
特にモディリアーニとジャンヌ、ロダンとカミーユの逸話は、
まるでプッチーニのオペラでのようなドラマ性を孕んでいて、
著者の語り口の巧さが、その感動を増幅させてくれる。
ピカソのような自己中心的な性愛もあれば、
モディリアーニのような清貧さの中の恋もある。
絵画や彫刻といった作品に、
恋人たちの存在がどれぐらい影響を与えているかというのは、
なかなか難しいテーマだろうけれど、
作品鑑賞の楽しみ方の1つの方法を与えてくれるものであることは、
間違いない。
個人的には、あと、クリムト、シーレ、ココシュカ・・・
あたりもラインナップに加えてほしかった。
カラー挿絵も豊富で、最近読んだ中では断トツの良書だ。