これって2005年の本なんだけれど、
いまどきポストモダン、とかタイトルに付けられちゃうと、
読んでるこっちが恥ずかしい。
でもUFOとポストモダンの組み合わせが、
例の「ミシンと蝙蝠傘」みたいな感覚があったので、
思わず手に取ってしまった。
あらゆる流行や事象を、時流に沿って語ることは易しい。
例えば、アイドル歌手の変遷を見ながら、
「これは、これこれの時代背景を反映している」と語るのは、
おそらく素人でもできるだろうし、それはアニメでも同様。
この本ではそれを「UFO」にまで適用したところに、
新鮮味があるのは確かだけれども、
どうもこじつけ感が否めない。
というより、隠れUFOファンの僕に言わせてみれば、
UFOのバリエーションなんてものは、
そんなに奥が深いものではない。
だから、この本の中で
灰色宇宙人(「グレイ」)が登場した背景には、
白人×黒人=灰色、という人種的問題が潜んでいる
とか、
ヒト型宇宙人から爬虫類型宇宙人への変化は、
哺乳類から爬虫類への退化を象徴している
なんてことを真剣に語られても、もはや笑うしかない。
「あらゆる事象には原因がある」と考えるアプローチは、
あまり意味はない。
それがUFOのようにオカルト的存在であれば、
なおのこと。
それよりも、「UFO」と聞くとほとんど誰もが、
あの「アダムスキー型円盤」を思い浮かべるようになった、
イコンとしてのUFO論というものがそろそろ出てきてもよいのではないだろうか。
いつまで待っても出ないなら、僕が書こうか。