生命はどのように誕生したのか、という、
科学にとって極めて根源的な疑問について、
未だに納得のゆく答えは出ていない。
古くから有力な説は、
原始地球に落雷などを契機とした何らかの科学反応によって
有機物が誕生した、という説だけれど、
それなら実験室で再現できそうなものなのに、
誰一人として成功していない。
最近、どこぞの科学者が、
隕石の中に生命痕を発見したというニュースがあった。
興味深かったのは、それが発見されたということ自体よりも、
依然として科学界では、
「地球外生命」に対する反対意見が多いということ。
地球外生命といって、
それが即、地球外知的生命体の存在を意味するわけではない。
フレッド・ホイルとウィクラマシンゲの、
生命は宇宙から来た、という学説は、
かつてセンセーショナルを起こしたものだけれど、
学界の大半からは無視された。
しかしながら、
・生命を生成する方法は未だ解明されていない
・過酷な宇宙空間でも、一部の生命は生存できることが実証されている
・原始地球は、地球外物体(隕石)の爆撃にさらされていた
ということを考えると、最初の生命が宇宙から来たというのは、
それほど突拍子もないことではないと、思う。
天文学者というのは、実はかなり保守的なので、
地球外の系、あるいは太陽系外の系という単位でモノを考えるのを、
非常に嫌う。
そういう意味では、天動説の呪縛から、
未だに解き放たれてはいない。