言わずとしれた、名著。
いつか読もう、と思っていたもののなかなか読めず、
たまたま立ち寄った渋谷の書店で「ポケット版」を見つけたので、
迷わず購入した。
美術作品の見方に正解はなく、
人それぞれであるべきだと思うのだが、
それでもこの本だけは読んでおくべきだろう、
と思わせるほどの、熱く厚い内容。
洞窟壁画から、デュシャンの便器まで、
「美術」と呼ばれるジャンルを貫く「何か」を探し求めるというのが、
この本の主題といっていい。
この本を読んだ後に、見慣れたあの作品をもう1度見直すと、
以前とは違った印象や感想を抱くようになるだろう。
豊富なカラー図版が掲載されているのもうれしい。
これで2,000円ちょっとなら、買わない手はない。