存在のみを表す「点」が動きを得ると、
「線」になる。
そこには、さらに次の次元である「面」へと広がること以上の、
ドラマチックな相転移である。
長さというものを表すのも線であり、
境界(結界)を示すのも、線。
運動の軌跡を表すこともあれば、
光の種類(赤外線・X線etc.)を表すこともあり、
我々の文明はまさに「線」が絡まってできているといってもいい。
そんな「線」の魅力を綴ったのが本書。
数年前に読んだ「眼の冒険」同様、
松田行正さんの本は、
博物誌的というか、澁澤龍彦的というか、
どこか異端な匂いがして、とても刺激的だ。
想像力を拡げることの楽しさを教えてくれる。
カラー図版が多いのも◎。