古本屋で見つけた40年以上前の本なので、
画像が、ない。
わざわざ写真をとってアップするのも面倒なのでそうしないが、
妖艶というか頽廃というか、形容しがたいセンスによる、
現代ではまったく見られない類の表紙のデザイン、とだけ書いておこう。
春画を題材に、江戸の浮世絵師たちの生き方、
当時の生活風俗を描く、現代浮世絵師の著作である。
時に解説風、時に小説風。
筆は主観と客観の間を自由闊達に動きまわり、
気づけば江戸の世に時間旅行をしたかのような錯覚を起こさせる、
不思議な名文である。
肝心の春画の挿絵も豊富ではあるが、
すべてモノクロで、大事な部分は完全に遮蔽されているので、
まぁオマケ程度。
春章、清長、北斎がいて、歌麿がいないのは、
なぜか分からない。