科学は例外を嫌う。

宇宙は一様である、というのが物理学者の理想である。

ビックバン、インフレーションを経て急速に拡大した宇宙が、
「なめらかに一様である」
と想像するのは、ある意味自然かもしれない。

しかし、宇宙の平均密度が、
1立方メートルあたり陽子1個という驚くべき「低さ」なのに対し、

星、そして我々生命が存在する部分の密度は、「高い」。

いや、言い方は逆で、
宇宙の密度が一様でないからこそ、
星が、生命が存在するのである。

星が集まって太陽系となり、
太陽系が集まって銀河となり、
さらに銀河が集まって銀河団となる。

現在では銀河団の分布図までも見ることは可能であるが、
それを見ると、宇宙は一様であるとは、やはり言い難い。

折しも、最近「太陽系の近傍ではダークマターが確認できなかった」というニュースがあったが、
それも宇宙が非一様であるがゆえだろう。

宇宙が物理学者が望むような「滑らかで平均的な」存在でないのだとすれば、
もしかしたら局所的には、
ニュートン物理学や相対性理論が破綻するような場合があるのかもしれない。

宇宙はいつでもどこでも同じだと思って望遠鏡を覗いたり、
計算したりすることは、誤りなのかもしれない。

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