犯罪者の手記や、新聞の投書欄、評論などをネタに、
坂口安吾が容赦なくぶった斬る、という本。
相手がオカマだと知って殺害してしまった少年の話から、
皇族の恋愛、そして自らの写真による易断の結果についてまで、内容は実にバラエティに富んでいる。
人生観に正しいも誤っているもないので、
あくまでも作家・坂口安吾の人生観として読めば、
非常に面白い。
最近の、コメンテーターや評論家を自称する人たちの、軽薄で偽善的な言論に比べれば、
さすがに重みも深さも違う(当たり前だが)。
安吾が現代にいたならば、昨今の出来事をどう斬るのだろうか。