フランス革命っていうのは、難しい。
「自由を勝ち取った市民革命」というよりも、
むしろ、虐殺、弾圧、処刑、といったイメージの方が強い。
歴史というのは、多分に「勝てば官軍」の要素が強いわけで、
曖昧な大義名分のもとに、命を絶たれた人々がいかに多かったことか。
投獄されてから、ギロチンにかけられるまでの間、
夫から妻へ、妻から夫へ、親から子へ、子から親へ、恋人から恋人へ、友から友へ・・・
さまざまな形の「最後の手紙」を紹介しているのが、この本である。
有罪だったにせよ、本当は無罪だったにせよ、
そしてその罪状が何であったにせよ、
最後の手紙に込められた人々の思いは、共通である。
悔恨、愛情、感謝。
歴史の闇に葬られた人々の真実の声を聞くことは、
それが歴史的資料としての価値があるのかどうかにかかわらず、
胸を打つものだ。