Bunkamuraでのパリ・オペラ座のライブビューイング。
本当は「カルメン」を観たかったのだが、気付くのが遅く、
未見のオペラ「ヘンゼルとグレーテル」を鑑賞した。
作曲は、ワーグナーの下で働いていたという、ドイツ人のフンパーディンク。
音楽は、モーツァルトのオペラのように、どのアリアも美しく、
オーケストラと歌唱のバランスも絶妙。
ドイツでは人気のオペラというのも、納得できる。
※パリで上演されるのは、今回で初めてらしい。
ただ、良くも悪くも、童話を題材にしたオペラなので、
ワーグナーやヴェルディのような深みは皆無であって、
そこがイマイチ、この作品が一流の芸術として認められない原因なのだろう。
繰り返すけれど、音楽は素晴らしい。
今回の上演で特筆すべきは、演出。
舞台を立体的に四分割し、
実際の歌手とは別に、子役にも同時に演じさせたり、
子供の頭の中の風景を、別の役者に並行して演技させたり、
夢と現実を行き来する幻想的なこの作品にふさわしい演出だったように思う。