久しぶりに、いや、初めてだろう、映画を観てこんなに衝撃を受けたのは。
とにかく、強烈だ。
こんな映画が撮れるのか、、と、
ただ、ただ、驚嘆するしかない。
物語は、6つのパートからなる。
1800年代、1950年代、1970年代、2012年、2100年代、
そして、文明崩壊後の世界。
時代も場所も異なる6つのストーリーなのだが、
実は、それぞれのパートにおける主要なキャラクターは、
同じ役者が演じており、
いわば「輪廻転生」によって、
6つのストーリーがつながるという仕掛けになっている。
しかし、そのつなげ方がまた絶妙なのだ。
映画というのは、音楽と同様、
動的なエンターテイメントなわけだが、
「画面を観る」という行為そのものは、
絵画同様、静的な性質をもっている。
映画のもつ、静的かつ動的な、その2面性を存分に活用し、
6つのストーリーを織り込んだ一大絵巻を創ってしまった、
ウォシャウスキー兄弟、改め、ウォシャウスキー姉弟には、
感服するばかりである。
つまり、人は皆、つながっているということ。
電車の中で、あなたの隣で寝ている水商売風のおネエさんも、
実は前世で、あなたの妻だったかもしれない。
いや、前世で妻だったからこそ、
いま、あなたの隣にいるのではないか??
「輪廻転生」を題材にした傑作としては、
三島由紀夫の「豊饒の海」か、この作品になるだろう。
芸術、恋愛、家族愛、闘争、戦争、SF、ホラー、カルト、旅、友情、同性愛・・・etc.
これまでの映画が、一本の中に苦心して練り込んできた内容すべてを、
この映画は、網羅してしまっている。
映画も遂にこのレベルまできたか。
今まで観てきた映画にはごめんなさい! この映画が最高です。
主演は、トム・ハンクスと、ハル・ベリー。
その他の俳優も、6つのストーリーの中で、「生まれ変わり」を熱演。
どのように登場するかは、エンドクレジットで種明かしされるので、
観終わってもすぐに席を立たないことを、おススメします。
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