ヤマ場やストーリー的なうねりもない、ヨーロッパ映画の典型。
たまにはこういう映画も、悪くない。
「西部の娘」作曲中に起きた召使の自殺という、実際のスキャンダルに基づいたお話。
ロケ地に使われたトスカーナの水景色と、
プッチーニ役が奏でるピアノのメロディが美しく、
それだけでも見る価値はある。
酒場の女が歌うカンツォーネと、プッチーニのピアノ。
不思議な対照も、この映画の魅力に一役買っている。
ただ、プッチーニという芸術家に、それほど思い入れのない人が観ると、
単なる女たらしの退屈な映画だと思われてしまうかもしれない。
せっかくなら、トスカーナのワインを片手に鑑賞したかったが、
わが手にあるのは、残念ながら、南アフリカの白だった。
適正価格:1,200円