野球とサッカー、それぞれにおいて、
ちょっと謎の平均値がある。
野球のは、「打者の平均打率」。
メジャーリーグも、日本のプロ野球も、
平均打率は、2割6分前後。
打者も投手も切磋琢磨してレヴェルを上げ、
用具や球場などの補正も働くため、
打率の平均値がだいたい一定を保つことは想像できるが、
ではなぜ2割6分前後なのか。
3割5分や1割5分で落ち着かないのは、なぜなのだろう。
サッカーの方は、「シュートがゴール枠内に飛ぶ割合」。
Jリーグでも、プレミアリーグでも、セリエAでも、リーガでも、
この数値は、32%~37%ぐらいになる。
なぜなのだろう。
考えられる理由としては、
これらの数値が、ヒトの生物としての能力の平均値だということだ。
つまり、ボールを投げる専門家とボールを打つ専門家が対決すると、
100回に26本「ヒット性の当たり」を打つのが、
ヒトとしての能力の平均なのであり、
球を蹴る専門家がフィールドに集まってプレイすれば、
100回に40回「ゴール枠内にボールを蹴る」ことができれば、
ヒトとして上々なのだ、
ということになる。
試しに、この夏の甲子園に出場している49の高校野球部の、
地方大会における平均打率を調べてみたところ、
平均としては3割以上で、
下は2割台から上は4割台まで、かなりバラバラという印象だ。
これはつまり、プレイする人の専門性が高くなればなるほど、
これらの値は平均化するということであって、
なぜこの値に収束するのかについては、
そのスポーツの性質と人間の能力の微妙なバランスによるものなのだろう。