「○○は我が国固有の領土である、したがって領土問題は存在しない。」
最近よく耳にするフレーズである。
なぜこの前半と後半が必ずセットなのかが、理解に苦しむ。
前半だけあれば、いいじゃないかと思う。
「○○は私の妻である、したがって離婚問題は存在しない。」
この場合はどうだろう。
夫から見たら安泰な夫婦仲でも、
実は妻は離婚したくてしょうがないかもしれない。
それでも夫は「離婚問題は存在しない」と言い切れるのか。
とあるエリアが、明らかに我が国固有の領土であっても、
隣国がそこの領有権を主張してきたのであれば、
そこには当然「領土問題が存在する」のであり、
平和的手法で解決しなくてはならない。
領土問題は存在しないのであれば、
放っておけばいいじゃないか。
でも実際はそうはいかないでしょ。
そこに「問題がある」ことは誰もが認識しているし。
つまり、「領土問題が存在する・しない」というのは、
いかにも日本の官僚や政治家好みの、
単なる「言葉遊び/概念いぢり」なのであって、
そんな言い回しについて云々するよりは、
もっと本質的な問題に目を向けるべきだ。
別にどこぞの元首相を庇うつもりは毛頭ないけれど、
そんな言葉尻ひとつに一斉に反応するマスコミの方が、幼稚だね。