特に僕みたいに、手汗がひどいと、三味線の棹の手入れが重要になる。

カンベリは仕方ないにしても、
毎回の練習後に艶フキンで磨いても、すぐに紅木が濁ったような色になってくる。

こうなると、見た目が悪いだけでなく、指の滑りも悪くなるので、
何とかしなくては、、と思い、某三味線屋のサイトで、この「カルナバ蝋ワックス」を見つけ、購入した。

お店曰く、「ロウ石のように固いので、ぐっと押しつけるようにして塗ってください」とのことだったのだが、
何度かトライしてみても、塗れている感がないばかりか、棹を傷つけてしまいそうなので、
ちょっと塗方に、、ではなく、途方に暮れていた。

指の滑りを良くするだけなら、ギター用の速弾きスプレーを使えばいいのだが、
こちらの難点は、効き目が長持ちしないこと。

それに、見た目のツヤが出るわけでもない。

なんとかこの蝋ワックスを使えないものかと、いろいろWebで調べてみたら、
ドライヤーで温めて溶かすのが良いとのこと。

その手があったか!と坊主頭の自分の家になぜか存在していたドライヤーで熱風を吹き付けるが、
熱は帯びるものの、一向に柔らかくならない。

それでは、と思い、湯煎にしてみたが、これもダメ。
なんという固さよ!

これは長期戦だと思い、ふたたびドライヤーを手にし、
強風を至近距離で吹き付けること数分、おおぉ、溶けてきた溶けてきた。

よっしゃ塗ろうと思い、手にしてみようと思ったら、当然ながら熱い!
こりゃイカンと思い、ボロ布越しに何とか掴んでみたものの、
まるでロウソクのように、溶けたところから既に固まっているではないか( ̄Д ̄;;

まぁ、これもロウだから、当たり前か、、と半ば開き直って、恐る恐る棹に擦り付けてみると、
以前よりも、よく塗れる。

すぐに見た目には分からないが、塗ってから20分ぐらい放置し、
その後艶フキンで磨いたら、かなり輝きを取り戻したではないか!

皮にせよ棹にせよ、三味線は生き物なので、
こうしてキレイになると息を吹き返したようで、なんだか嬉しくなる。

これからはコマめに磨いていこう。