日本では絶対音感を持っていることが、
音楽的に優れているかのように思われているけれども、
実はそうではなく、
音楽に大切なのは相対音感であって、
絶対音感を持つことで、逆に相対音感を身に付けにくくなってしまう、
というのが、この本の骨子。
想像や推測ではなく、
実験と検証という科学的手順で論を進めているところが、
好感が持てる。
ただ、僕もそうだけれども、
小さい頃からピアノとかを習ってしまうと、
イヤでもある程度の絶対音感は身に付いてしまう。
だから30代後半になって、三味線という相対音高楽器を始めたときに、
最初はひどく戸惑った。
ちなみに、自分の身に付いているピッチが、
通常(A=440Hz)より、半音近く低いことは自覚している。