外来種を駆除するための「遺伝子ドライブ」という技術が、
最近発表されたようだ。

従来の殺虫剤では、
動物側が次第に耐性をつけることが問題であったが、

「遺伝子ドライブ」では、動物の遺伝子を直接改変することで、
繁殖力を奪うというもの。

正直、このニュースを読んだとき、「恐ろしい」と思った。

そう思った理由は2つ。

1つめは、生物の遺伝子を操作して、
絶滅させる方向に導くというのは、
さすがにやり過ぎだろう、と思うから。

2つめは、外来種というのは何らかの理由があって、
「ここに来てしまった」わけで、
それを駆除することは、果たして正しいのだろうか、と思うから。

1つめについては、対象が害虫やウィルスだったりする場合は構わない、
という意見が多そうだが、

遺伝子改変という最終手段にでるのは、
科学を神と同一視するようで嫌だし、
その技術が漏れて、ヒトにも適用されたら、、という問題もある。

2つめについては、生態系などというものは、
太古から流動的なもので、
この種はここにいなければならない、という規則はないし、

外来種によって固有種が滅びてしまったのだったら、
それも自然の摂理だろうと思う。
(現に、我々の遅れてきた祖先は、
先住民であったネアンデルタール人を滅ぼしたのではなかったか?)

ヒトゲノムの解明をはじめとして、
遺伝子工学が急速に進んでくると、
今回のような倫理的な問題が生じることは、避けられない。

現状ではそれを制御する方法はないし、
技術を発明した学者や企業にその運用が任されているのだとしたら、
とんでもない事態になることも想定される。

これは、現代科学が抱えている問題のひとつであろう。