語りの芸術である落語を、
文字で読むというのはナンセンスなのかもしれないけれども、
これはこれで、面白い。
思わず声に出して読みたくなる。
語りと文学の関係性は、浄瑠璃も然り、
そもそも「物語」とは「語られるモノ」であったはずだが、
浮世草子とか黄表紙とか、「読むモノ」が隆盛を極めた一方で、
「語られるモノ」も流行したのが江戸時代。
さらに歌舞伎や文楽ともなると、
これに「観る」楽しみも加わるわけで、
読む、聴く、観るという、異なる三つの感覚が、
どのように我々の脳を刺激するのかという問題は、
とても興味深い。