「無病法」(ルイジ・コルナロ)

 

16~18世紀のヨーロッパでは、
かなり読まれた有名な本だったらしい。

要点はズバリ、飲食の量を極少にすれば、
病気にもならず、長生きできる、ということ。

著者のコルナロは、40代までは暴飲暴食の生活をしていたが、
重い病気になってから、極少食に変えたところ、
102歳まで生きたというのだから、一応、説得力はある。

極少食といっても、個人差はあるし、
少なければ何でもよいというわけでもなく、
食べる内容にも気をつけなくてはならないというのは、
当然のこと。

さて、コルナロの実際の食事内容はどうだったかというと、

パン、卵の黄身、少量の肉、スープ(合計:350グラム)
ワイン(400グラム)

これを一日で二回に分けて食べていたというのだから、
まぁ、確かに少ないには少ないが、
でも驚くほどの少量でもない気はする。

しかも心強い(?)のは、しっかりお酒も飲んでいること。

一日でボトル半分ぐらいだから、
少なくはないと思うのだけれど。。
(イタリア人にしては、少ないのかもしれないが)

量については個人差があるので、
要するに、「足りない」と思うレベルでやめておくのがよい、
ということだろう。

これは食事に限らず、
この世の中で、「~欲」と呼ばれているものはすべて共通で、

そんなものは、どこまで追いかけても満足することはないのだし、
資本主義というシステム自体が、
人間の欲で成り立っているともいえる。

だから、欲を満たそうとするのではなく、
物足りない、というぐらいでやめておいて、

あとは、理性で欲を押し殺した状態を楽しめるようになるのが、
賢い生き方なんだろう。

まぁ、難しいことなんですけどね。

でもそれが実現できれば、
この上なく健康になれることは、間違いない。