うん、この本は素直に面白い。
そもそも天皇の名前に、
「追号」「諡号」の種別があることすら知らなかったし、
名前だけではなく、天皇の側から歴史を概観することで、
今まで見えなかった部分が見れて、新鮮だった。
あらためて面白いと感じたのは、
持統天皇以降、奈良時代の称徳天皇の頃までの、
天智系と天武系の争いに、藤原氏などの貴族の闘争が加わり、
陰謀あり、血腥い事件あり、
この本には書かれていなけれど、
さらには仏教界や海外の情勢までもが、これにプラスされるわけで、
でも当時は幕府なんてものはないから、
中心はあくまでも天皇。
天皇という不安定な重心をめぐる様々なドラマが、
ここまで露骨に見られる時代は珍しいかもしれない。
(決して美しくはない、どちらかといえば醜いドラマだけど)
ついでに言えば、鎌倉幕府を倒そうとした後鳥羽上皇の名前が、
「尊成」(たかなり)で、字は違うけれど自分と同じだということに気付いた。